BYD Auto Japanは2026年9月29日、新型「BYD ATTO 3 EX」を全国のBYD正規ディーラーで発売しました。RWD(後輪駆動)と、新たに加わったAWD(四輪駆動)の2モデルで、メーカー希望小売価格はRWDが437万8,000円、AWDが487万3,000円です。
ATTO 3 EXは、現行ATTO 3から電池容量を74.88kWhへ広げ、RWDのWLTCモード一充電走行距離を620kmまで伸ばしました。AWDは航続距離が550kmになる一方、システム最高出力330kW、最大トルク560N・m、0-100km/h加速4.0秒という強い動力性能を持ちます。
読者が比べたいのは、AWDが単に「上位グレード」かどうかではありません。RWDは軽く、航続距離と価格を優先する構成。AWDは49万5,000円高く、110kg重くなる代わりに、前輪モーター、駆動力、走破性を加え、車載温冷庫も標準装備します。この記事では、公式に確認できる数値と、そこからの見立てを分けて整理します。
最初に結論
- RWDを選ぶべき人:日常の通勤・買い物と長距離の航続を優先し、税込49万5,000円の差を抑えたい人。620kmのWLTC値、1,880kgの車重、230kWの後輪モーターが判断の中心です。
- AWDを選ぶべき人:雪道や濡れた路面での駆動安定性、4.0秒の加速、560N・mのトルク、車載温冷庫をまとめて使いたい人。550kmの航続距離で生活が足りるかを先に確認します。
- 慎重にしたほうがいい人:自宅や勤務先の充電環境、CHAdeMO急速充電の経路、V2L/V2Hの設置条件をまだ確認していない人。WLTCの数字だけで実走行距離を決めず、実車と見積もりを確認してください。
BYD ATTO 3 EXは何が変わったのか
74.88kWhのブレードバッテリーを採用し、RWDのWLTC航続距離は620km。
前輪駆動からRWDへ変更し、新たに前後2モーターのAWDを設定。
95Lフロントトランク、充電予熱、前席快適装備、AWDの車載温冷庫を追加。
RWDは航続と日常性、AWDは駆動力と体験を広げる構成です。
購入前に支払い計画を確認
金利、月々の支払い、手元資金の残し方を比べてから、見積もりや商談へ進めます。
9月29日発売でRWDとAWDの2モデル

BYD ATTO 3 EXは、2023年1月に日本で発売されたATTO 3を大幅に刷新したモデルです。2026年9月29日から販売が始まり、従来の前輪駆動からRWDへ駆動方式を変更しました。さらにAWDを追加し、2つの使い方を同じ車名のなかで選べるようにしています。
変更は外観だけではありません。BYDは、バッテリーと車体を一体化するCTB(Cell to Body)を採用し、ブレードバッテリーの容量を現行モデルの58.56kWhから74.88kWhへ拡大しました。フロントには新たに95Lの収納を設け、リアの490Lと合わせて荷物を分けて載せられます。
620kmと550kmを分ける考え方
まず、RWDの一充電走行距離はWLTCモードで620km、AWDは550kmです。電池容量は両モデルとも74.88kWhなので、差は電池を増減した結果ではありません。AWDは前輪にもモーターを持ち、最高出力と最大トルクが大きく、車両重量も110kg増えています。その分、公式の交流電力量消費率はRWDの135Wh/kmに対してAWDが154Wh/kmです。
つまりRWDは「同じ電池で遠くまで走る」方向、AWDは「電池を使って駆動力と応答性を上げる」方向です。AWDの550kmが自分の行動範囲を満たすなら、航続距離の数字だけでRWDに決める必要はありません。反対に、冬の高速道路や遠出で充電回数を減らしたいなら、AWDの装備に魅力を感じてもRWDの620kmが実用上の強みになります。
確認済み事実と実走行で変わる条件
620kmと550kmは、WLTCモードによる試験値です。実際の距離は気温、速度、渋滞、勾配、乗員・荷物、エアコン、タイヤ空気圧、電池温度、運転方法で変わります。公式ページも、使用環境や運転方法によって値が異なると説明しています。ここではWLTC値を比較の基準に使いますが、納車後の保証距離として扱いません。
主要スペック一覧|2モデルの差を先に確認
航続距離や充電性能は試験・設備・温度条件で変わります。未確認の数値は補っていません。
ATTO 3 EXの主要諸元を、BYD Auto Japanの公式仕様ページに合わせて整理します。電気自動車ではエンジン車と違い、排気量やエンジン回転数の比較は該当しません。公式に記載がない項目は、未確認のまま残しています。
| 項目 | BYD ATTO 3 EX | BYD ATTO 3 EX AWD | 読み方 |
|---|---|---|---|
| メーカー希望小売価格(税込) | 437万8,000円 | 487万3,000円 | AWDが49万5,000円高い |
| 駆動方式 | RWD(後輪駆動) | AWD(四輪駆動) | AWDは前後2モーター |
| 全長×全幅×全高 | 4,455×1,875×1,615mm | 4,455×1,875×1,615mm | ボディサイズは共通 |
| ホイールベース | 2,720mm | 2,720mm | 前後輪の距離は共通 |
| トレッド 前/後 | 1,575/1,580mm | 1,575/1,580mm | 数値は共通 |
| 車両重量 | 1,880kg | 1,990kg | AWDは110kg重い |
| 乗車定員 | 5名 | 5名 | 定員は共通 |
| 荷室容量 | フロント95L/リア490L | フロント95L/リア490L | 前後に分けて収納できる |
| 最小回転半径 | 5.35m | 5.35m | 取り回しの基準は共通 |
| バッテリー | ブレードバッテリー(LFP) | ブレードバッテリー(LFP) | 総電力量は共通 |
| 総電力量 | 74.88kWh | 74.88kWh | 現行ATTO 3から拡大 |
| WLTC一充電走行距離 | 620km | 550km | 試験条件の比較値 |
| WLTC交流電力量消費率 | 135Wh/km | 154Wh/km | 数値が小さいほど電力消費が少ない |
| WLTC市街地/郊外/高速 | 116/125/152Wh/km | 138/143/164Wh/km | 道路環境で差が変わる |
| フロントモーター | なし | 交流三相誘導モーター、100kW・180N・m | AWD専用 |
| リアモーター | 永久磁石同期、230kW・380N・m | 永久磁石同期、230kW・380N・m | 共通の後輪モーター |
| システム最高出力 | 230kW | 330kW | AWDは前後合計のシステム値 |
| システム最大トルク | 380N・m | 560N・m | AWDは前輪分を追加 |
| 0-100km/h加速 | 5.5秒 | 4.0秒 | 公式掲載値 |
| フロント/リアサスペンション | マクファーソンストラット/マルチリンク | マクファーソンストラット/マルチリンク | 基本形式は共通 |
| ブレーキ | 前後ベンチレーテッドディスク | 前後ベンチレーテッドディスク | 形式は共通 |
| タイヤ | 235/50 R18 | 235/50 R18 | サイズは共通 |
| 普通充電 | 最大6kW | 最大6kW | 家庭設備の確認が必要 |
| 急速充電 | 最大受電100kW、CHAdeMO | 最大受電100kW、CHAdeMO | 充電器側の出力とは別 |
| 変速機の段数 | 公式仕様で未確認 | 公式仕様で未確認 | エンジン車の多段ATとは比較しない |
| 最大トルク発生回転数 | 公式仕様で未確認 | 公式仕様で未確認 | 電動機の公式表記なし |
寸法・重量・荷室・タイヤ
また、全長4,455mm、全幅1,875mm、全高1,615mm、ホイールベース2,720mmはRWDとAWDで共通です。最小回転半径も5.35mなので、駐車場での取り回しを左右する基本寸法にグレード差はありません。購入前はカタログの数値だけでなく、自宅の車庫幅、柱との間隔、充電ケーブルを接続した状態の動線を確認するのが安全です。
荷室はフロント95L、リア490Lです。フロント側を充電ケーブルや濡らしたくない小物、リア側を日常の荷物に分ける使い方ができます。AWDは110kg重くなりますが、公式の荷室容量はRWDと同じです。荷物を多く積む人は、重量差よりも開口部の高さ、床面の段差、後席を倒したときの形状を実車で確認してください。
235/50 R18タイヤは両モデル共通です。AWDだからタイヤが太くなるわけではありません。雪道での安心感はAWDだけで決まらず、スタッドレスタイヤの性能、残溝、路面の勾配、速度、駆動力の出し方が組み合わさって決まります。AWDを選ぶ場合も、タイヤの選択を後回しにしないことが重要です。
電池・モーター・航続距離・充電
一方、両モデルは74.88kWhのブレードバッテリーを搭載し、RWDはリアの永久磁石同期モーター、AWDはそれにフロントの交流三相誘導モーターを加えます。RWDのシステム最高出力は230kW、AWDは330kWです。数字の差は大きいものの、同じ道路で常に最大出力を使うわけではありません。普段の買い物では航続距離と充電環境が、峠道や雪道では駆動力とタイヤが判断を左右します。
変速機の段数と最大トルクの発生回転数は、今回確認した公式仕様に記載がありません。電動機の最大トルクはエンジン車のように「何rpmで発生するか」だけでは読み切れないため、未確認の数字を推測していません。試乗では、発進時のアクセル応答、回生ブレーキの強さ、低速での滑らかさ、高速合流時の加速を確認します。
航続距離620kmのRWDと550kmのAWD、充電の使い勝手はどう違うか
150kW急速充電器で30〜80%約30分は公式の目安で、電池温度や開始SOCで変わります。
同じ74.88kWhでもWLTC値が変わる理由

RWDは135Wh/km、AWDは154Wh/kmです。単純化すれば、同じ電池容量でもAWDは前輪モーターと110kgの重量を動かすため、WLTC上の消費電力が大きくなります。これは「AWDは効率が悪い」と決めつける話ではありません。AWDは必要な場面で前輪にも駆動力を配分でき、RWDにはない走行安定性を得るための電力を使う構成です。
毎日の走行が片道20km程度で、自宅充電を使えるなら、550kmのWLTC値でも余裕が残る可能性があります。逆に、自宅充電ができず、週末に高速道路を長距離走るなら、充電器の位置と混雑を含めてRWDの620kmを評価する方が現実的です。実走行の距離は条件で変わるため、ここでの「余裕」は走行環境からの見立てです。
6kW普通充電、100kW急速充電、CHAdeMO、充電予熱
普通充電は最大6kWに対応します。自宅の3kW設備より速く充電できますが、分電盤、配線、契約容量、設置工事が必要です。マンションの機械式駐車場や共用コンセントでは、6kW対応の可否と利用ルールを管理会社へ確認します。
さらに、急速充電はCHAdeMO方式で、最大受電能力は100kWです。BYD公式ページは、150kWの急速充電器を使った場合に30%から80%まで約30分という目安を示しています。ここでは、車両の受電能力が100kWであることと、充電器の定格が150kWであることを分けて考えます。バッテリー温度、開始時の残量、外気温、充電器の混雑で時間は変わります。
充電前にバッテリー温度を調整する予熱機能も追加されました。冬の急速充電で、電池が冷えたまま充電器へ到着する状況を抑える狙いがあります。機能があることと、すべての気温で同じ時間になることは別なので、遠出では出発前の充電計画と途中の代替拠点を用意します。
BYD ATTO 3 EXはV2L/V2Hにも対応し、V2Lアダプター使用時はAC100V・最大1,500Wの電力を取り出せます。V2Hは住宅側の機器と工事が必要です。EVの充電装備を車種ごとに比べるときは、既存のBYD SEAL特別パッケージと充電装備の違いも参考になります。別車種の装備をATTO 3 EXへそのまま当てはめず、車種ごとの仕様を確認してください。
150kW器で30〜80%約30分は目安
公式が示す30〜80%約30分は、充電開始SOC30%時のWLTCモードに基づく理論値です。自宅の普通充電で同じ時間になるという意味ではありません。充電カードの利用範囲、急速充電器の設置場所、支払い方法、冬場の到着時SOCを販売店と一緒に確認します。
出力・トルク・車重・駆動方式から走りを読む
AWDは数値上の動力性能が高い一方、110kg増えて電費も大きくなります。体感は試乗で確かめます。
RWDは軽さと後輪駆動を生かす構成
RWDは230kW、380N・m、車両重量1,880kg、0-100km/h加速5.5秒です。最高出力を車重で割ると約122kW/t、最大トルクを車重で割ると約202N・m/tになります。これは試乗結果ではなく、公式諸元から計算した比較値です。
後輪を駆動するため、アクセルを開けたときの前輪の役割は操舵に集中しやすい構成です。一方で、濡れた上り坂や雪道では、タイヤの状態と路面のμ(摩擦係数)が優先されます。RWDだから不安、またはRWDだから必ず軽快、と一つの言葉で決めず、普段の道路とタイヤを合わせて判断します。
AWDは330kW・560N・mと110kg増をどう見るか
AWDはフロント100kW・180N・m、リア230kW・380N・mの2モーターで、システム最高出力330kW、最大トルク560N・mです。車重は1,990kg、0-100km/h加速は4.0秒。出力重量比は約166kW/t、トルク重量比は約281N・m/tで、RWDより数値上の余裕があります。
そのうえ、この差は高速道路の合流、坂道、追い越しなどでアクセル操作に対する余裕として現れる可能性があります。一方、最大出力を日常的に使えば電力消費も増えます。公式WLTCではAWDの電費が154Wh/kmで、RWDの135Wh/kmより高く、航続距離は70km短いからです。AWDの価値は加速タイムだけでなく、前後輪へ駆動力を配分できることと、車載温冷庫を含む装備にあります。
出力重量比とトルク重量比からの見立て
両モデルは235/50 R18タイヤ、前後の基本サスペンション形式、ブレーキ形式が共通です。したがってAWDの数値上の速さが、そのまま乗り心地や操舵感の差を意味するわけではありません。RWDの軽さと航続距離を取るか、AWDの駆動力と加速を取るかを、試乗で回生・ブレーキ・段差の通過まで確認するのが安全です。
49万5,000円の差で何が増えるか|RWDとAWDの装備比較
AWDの差額は、550kmの航続を受け入れて駆動力と装備を得るための支出です。
共通装備とAWD専用の温冷庫

両モデルには、8.8インチメーター、15.6インチタッチスクリーン、パノラマサンルーフ、前席シートベンチレーション、ステアリングヒーター、NFCデジタルキー、V2L/V2H対応などが設定されています。RWDを選んでも、日常の快適性と電気自動車としての基本機能が大きく欠ける構成ではありません。
AWD専用の分かりやすい装備は、前席中央に置かれる容量4.5Lの車載温冷庫です。冷蔵は−6〜6℃、保温は35〜50℃に設定でき、500mlペットボトルを4本収納できるとBYDは説明しています。買い物、子どもの飲み物、アウトドアなど、走り以外の使い方に価値を感じるかが判断の分かれ目です。
価格差を航続距離・走行性能・快適性に分解する
| 比較項目 | RWD | AWD | 49万5,000円の差の意味 |
|---|---|---|---|
| 価格(税込) | 437万8,000円 | 487万3,000円 | AWDの追加負担 |
| 駆動 | 後輪 | 前後2モーター | 雪道・濡れた坂道などで駆動力を配分しやすい構成 |
| システム出力/トルク | 230kW/380N・m | 330kW/560N・m | 合流・登坂・加速の余裕を重視する人向け |
| 0-100km/h | 5.5秒 | 4.0秒 | 速さを明確に求める人向け |
| 車重 | 1,880kg | 1,990kg | AWDは110kg増。電費と航続距離に影響 |
| WLTC航続距離 | 620km | 550km | RWDは遠出の充電回数を抑えやすい |
| WLTC電費 | 135Wh/km | 154Wh/km | AWDは同じ電池でも消費電力が多い |
| 車載温冷庫 | 設定なし | 標準装備 | 飲み物や食品を車内で管理したい人向け |
| 向く人 | 航続と日常性を優先 | 駆動・加速・装備を優先 | 数字ではなく生活条件で選ぶ |
AWDの49万5,000円は、航続距離を買い足す金額ではありません。むしろRWDより70km短いWLTC値を受け入れ、100kWのフロントモーター、560N・mのトルク、4.0秒の加速、雪道などでの駆動安定性、車載温冷庫に支払う差額です。RWDの620kmが普段の使い方に十分なら、価格差を払わない選択にも筋があります。
逆に、冬に山間部へ行く、荷物や同乗者を乗せて坂道を走る、温冷庫を日常的に使う、加速の余裕を試乗で気に入ったという条件が重なるなら、AWDの差額は装備の寄せ集めではなく、使い方に対する対価になります。どの場面で使うかを一つずつ言葉にしてから見積もりを取ります。
BYD ATTO 3 EXはどっちを選ぶべきか
- 1毎日の距離と充電
自宅充電ができず、遠出の充電回数を減らしたい
- 2雪道・坂道・雨天
前後モーターの駆動力を使う場面が多い
- 3走りと装備
4.0秒の加速や車載温冷庫を実際に使う
- 4迷いが残る
充電経路と試乗を確認してから契約する
RWDかAWDかを先に決めず、充電環境と使う場面を言葉にしてから選びます。
同じBYDのSUVでも、グレード差の出方は車種ごとに違います。装備と価格の優先順位を整理するときは、先に公開したBYD RACCOの3グレード比較も参考になります。ただし、ATTO 3 EXのRWD/AWDの判断には、この記事で扱う航続距離、駆動方式、車重、充電環境を優先してください。
| 読者タイプ | 先に見るモデル | 判断理由 |
|---|---|---|
| 通勤・遠出で充電回数を減らしたい人 | RWD | 620kmのWLTC値、1,880kgの車重、135Wh/kmの電費を優先する。 |
| 雪道・坂道・加速・温冷庫を使う人 | AWD | 330kW・560N・m、前後モーター、温冷庫を生活に使う。 |
| 充電場所や車庫が未確認の人 | いったん保留 | グレードを決める前に設備、経路、全幅、納期を確認する。 |
RWDを選ぶべき人
RWDが向くのは、日常の移動距離が長く、充電のために寄り道したくない人です。WLTC 620kmは実走行を保証しませんが、AWDより70km長く、電費も135Wh/kmに抑えられています。自宅に6kW普通充電を設置できる場合でも、週末の長距離で途中充電の余裕を持ちたい人には、RWDの軽さと航続距離が合います。
また、後輪モーターの230kW・380N・m、5.5秒の0-100km/hは、一般道で不足を感じにくい水準です。サーキットのタイムや雪道の登坂性能を最優先しないなら、AWDの最大出力を使い切らないまま追加費用と電費を受け入れる必要はありません。
AWDを選ぶべき人
AWDは、降雪地域、急な坂道、濡れた路面を走る頻度が高く、前後モーターによる駆動力の余裕を求める人に向きます。AWDであればどんな路面でも安全になるわけではありませんが、前輪100kW・180N・mを追加できる構成は、RWDとは異なる選択肢です。スタッドレスタイヤと速度管理を前提に、試乗で発進・低速旋回を確かめます。
温冷庫を使う生活もAWDを選ぶ理由になります。キャンプやスポーツ、子どもとの長距離移動で、冷たい飲み物や温かい飲み物を車内で扱うなら、4.5Lの容量と温度設定が実用装備になります。装備を使う日が月に何度あるかを考え、カタログ上の「標準装備」だけで決めないことが大切です。
慎重にしたほうがいい人
自宅にも勤務先にも充電器がなく、急速充電だけで運用する人は、RWD/AWD以前に充電経路を作る必要があります。CHAdeMO拠点の営業時間、出力、混雑、故障時の代替ルートを、通勤と遠出のルート上で確認してください。
また、AWDの4.0秒という数字だけを見て選ぶ人は、試乗でアクセルの初期応答と回生の強さを確認します。数値上の速さが自分にとって扱いやすいとは限らず、同乗者が酔いやすい場合はコンフォートとスポーツの違いも見ておきます。
ここでは、公式仕様の要約にとどまらない独自判断材料として、販売店に聞く10の質問を挙げます。所有前チェックリストとして、回答を見積書や試乗メモに残してください。
販売店に聞く10の質問
- 自宅の分電盤と駐車位置で6kW普通充電器を設置できるか。
- 集合住宅や賃貸で充電設備の工事・契約が可能か。
- よく使う高速道路でCHAdeMOの出力・営業時間・代替拠点を確保できるか。
- 30〜80%の急速充電目安が、冬の自分の経路でも成立するか。
- RWDとAWDを同じ路面、同じ回生設定で乗り比べられるか。
- 発進、低速旋回、段差、高速合流でアクセルとブレーキの感覚が合うか。
- 1,875mmの全幅が自宅、勤務先、よく行く立体駐車場に収まるか。
- 95Lフロントトランクと490Lリア荷室へ、充電ケーブルや旅行荷物を実際に載せられるか。
- 車載温冷庫、前席ベンチレーション、ステアリングヒーターを誰がどの頻度で使うか。
- 保証、点検、BYD e-Chargingカード、V2L/V2H機器の費用と納期を見積書に分けて書けるか。
購入前に確認したい充電・給電・所有条件
自宅・勤務先・遠出先で、6kW普通充電とCHAdeMOの使い方を確認。
V2Lアダプターの用途と、V2Hに必要な住宅側機器・工事を分けて確認。
AWDの4.5L温冷庫、NFCキー、前席装備を試して家族の使い方に合わせる。
95Lフロントと490Lリアの荷室、1,875mmの全幅を実際の荷物と駐車場で確認。
購入前チェックは、車両本体・充電設備・付属品・納期を別々に見積書へ記載してもらいます。
自宅・勤務先・遠出先の充電環境

EVの使い勝手は、電池容量だけでは決まりません。毎晩戻る場所で充電できるか、6kWの設備を使えるか、勤務先や買い物先に普通充電があるかで、同じ620kmでも体験が変わります。自宅に充電器を置けない場合は、急速充電を使う時間と費用だけでなく、混雑時の待ち時間を予定に組み込みます。
BYD公式ページはCHAdeMO急速充電に対応すると説明しています。日本の急速充電規格に対応することは利点ですが、すべてのCHAdeMO器が同じ出力を出すわけではありません。表示される出力、車両側の最大受電能力、充電開始時のSOC、バッテリー温度を切り分けて見ます。
V2L/V2H、NFCキー、温冷庫、荷室の確認
V2Lは車の電力を電化製品へ供給する機能で、ATTO 3 EXはAC100V・最大1,500WのV2Lアダプターに対応します。V2Hは住宅へ給電する設備と工事が必要です。災害時の備えとして考える場合、接続機器、家の分電盤、停電時の切り替え方法を車両契約とは別に確認します。
NFCデジタルキーはスマートフォンをキーとして使える機能です。スマートフォンの電池切れ、家族への共有、通信やアプリの設定など、物理キーとは異なる確認点があります。AWDの温冷庫は4.5L、−6〜6℃の冷蔵、35〜50℃の保温に対応しますが、ボトル形状によって収納本数は変わります。
前後合計585Lの荷室容量は、フロント95Lとリア490Lの合計値です。リアだけに荷物を積む感覚とは違うため、ベビーカー、クーラーボックス、充電ケーブルを実車に載せます。カタログ上の容量を、自分の荷物の形に置き換えることが独自の判断材料になります。
仕様表だけでは決まらない納車後の使い方
発売直後の車両では、納期、試乗車の配備、オプション、V2Lアダプター、充電カードの案内が店舗によって異なる場合があります。BYD公式ページも、店舗により展示車・試乗車の配備状況が異なると案内しています。契約時は、車両本体と付属品、設置工事、納車時期、点検・保証の範囲を分けて確認してください。
4方式のローン試算|同じRWD・頭金条件で比較する
残価設定ローンは最終回に1,313,400円の残価を支払って所有する仮定です。クラウドローン想定との差は残価設定ローン43万3,357円、ディーラーローン37万8,481円、銀行ローン3万2,192円です。クラウドローンは融資元ではなく比較・マッチングサービスで、実際の提案、審査、適用金利、借入可能額は異なり、最低金利は保証されません。
試算条件と金利の扱い
ここからは車両選びの後に、購入方法を考えるための参考試算です。ATTO 3 EX RWDの税込437万8,000円、頭金87万8,000円、借入350万円、60回、ボーナス払いなし、諸費用・保険・税を含めない条件にそろえました。元利均等返済で、金額は1円単位に丸めています。
4方式は、同じ車種・同じグレードのATTO 3 EX RWD、同じ車両価格437万8,000円、同じ頭金87万8,000円、同じ借入350万円、同じ60回、同じボーナス払いなしの条件で比較します。
残価設定ローンは、車両価格の30%に当たる131万3,400円を最終回に支払って所有する仮定です。返却・乗り換えを選ぶ場合の条件や走行距離制限は含めていません。残価設定とディーラーローンの4.90%・5.90%は比較用の仮定であり、BYDや販売店の正式な見積もりではありません。
銀行ローン2.25%は、2026年9月1日時点で公開されている筑波銀行のマイカーローン金利表にある条件付き金利を参考にしました。クラウドローン想定1.90%は、2026年9月30日までの肥後銀行の条件付き金利を参考にした比較上の仮定です。借入額、居住地、年齢、取引条件、審査などで適用金利は変わります。
| 方式 | 年利 | 返済期間 | クラウドローン想定との金利差 | 月々返済 | 最終回支払・残価 | 総利息 | 総支払額 | クラウドローン想定との差 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 残価設定ローン | 4.90%(仮定) | 60回+最終回残価 | +3.00ポイント | 46,527円 | 1,313,400円 | 605,007円 | 4,105,007円 | +433,357円 |
| ディーラーローン | 5.90%(仮定) | 60回 | +4.00ポイント | 67,502円 | 0円 | 550,131円 | 4,050,131円 | +378,481円 |
| 銀行ローン | 2.25%(条件付き金利を参考) | 60回 | +0.35ポイント | 61,731円 | 0円 | 203,842円 | 3,703,842円 | +32,192円 |
| クラウドローン経由(最低金利適用想定) | 1.90%(仮定) | 60回 | 0.00ポイント | 61,194円 | 0円 | 171,650円 | 3,671,650円 | 0円 |
月々ではなく総支払額で見る
この表は、同じ車種・グレード・車両価格・頭金・借入額・返済回数でそろえた比較です。実際の申込では、手数料、保証料、登録諸費用、ボーナス払い、残価条件が変わるため、表の差額がそのまま契約額になるわけではありません。
この同一条件の試算では、クラウドローン想定の総支払額は、残価設定ローンより43万3,357円、ディーラーローンより37万8,481円、銀行ローンより3万2,192円少なくなります。なお、残価設定ローンは最終回の残価を払って所有する計算で、返却・乗り換えの条件を使っていません。返済期間、残価、手数料、保証料が変われば差額も変わります。
銀行ローンの2.25%とクラウドローン想定の1.90%の差は0.35ポイントです。表の月々返済は537円、総支払額は3万2,192円の差にとどまるため、審査や手続きの手間、借入可能額、納車時期を含めて比べます。最低金利の数字だけで借り入れを決める表ではありません。
【PR】 クラウドローンは融資元ではなく、複数の金融機関から届く銀行ローン候補を比較・マッチングするサービスです。候補を比べたい人は、クラウドローンで銀行ローン候補を比較する方法があります。実際の提案内容、審査結果、適用金利、借入可能額は申込者と金融機関によって異なり、最低金利が必ず適用されるものではありません。
FAQ|ATTO 3 EXの航続・AWD・充電で迷う点
WLTC値であり、気温、速度、空調、荷物、電池温度で変わります。
駆動力の選択肢は増えますが、タイヤと速度管理、制動操作も必要です。
30〜80%約30分は150kW器使用時の公式目安で、条件により変わります。
未確認の変速段数、トルク回転数、納期、補助金、工事費は販売店・金融機関・自治体へ確認します。
620kmは実際に走れる距離か

620kmはRWDのWLTCモード値です。高速道路、冬の暖房、雨、渋滞、急加速が重なると短くなります。出発前に満充電にできる環境があるか、遠出の途中にCHAdeMO急速充電器があるかを先に確認してください。
AWDは雪道なら必ず必要か
AWDは前後のモーターで駆動力を配分できるため、雪道や悪路での走行を支える選択肢になります。タイヤ、速度、路面の凍結、視界、ブレーキ操作も安全性を左右します。AWDだけで制動距離が短くなるわけではありません。
充電は何分で終わるか
なお、BYDは150kW急速充電器で30〜80%を約30分と説明していますが、これは目安です。車両の最大受電能力は100kWで、開始時のSOC、電池温度、外気温、充電器の状態で変わります。日常は6kW普通充電を中心にできるかを確認します。
未確認事項は販売店・試乗で確認する
変速機の段数、最大トルクの発生回転数、個別車両の納期、補助金の適用額、V2H工事費、保険料は、今回の公式仕様ページだけでは一律に決められません。未確認の項目を推測で補わず、契約前に店舗と自治体、設置業者へ確認します。
次に読むなら
参照した主な情報源
- BYD、大幅アップデートとなる新型「BYD ATTO 3 EX」を発売(2026年9月28日発表、9月29日発売、変更点・価格・比較表)
- BYD ATTO 3 EX公式仕様ページ(主要諸元、航続距離、充電、装備、V2L/V2H)
- BYD「初めてのBYD EV」(充電・購入サポートの案内)
- 筑波銀行の自動車ローン金利案内(2026年9月1日現在の公開金利。適用条件あり)
- 肥後銀行マイカーローン特別金利案内(2026年9月30日までの条件付き金利を比較仮定の参考に使用)
- クラウドローン公式サービス説明(融資元ではなく銀行ローンの比較・マッチングサービスであること)
本記事の価格・仕様は記事作成時点の公式発表に基づきます。仕様、装備、価格、納期、金利、補助制度は変更される場合があるため、契約前にBYD正規ディーラー、金融機関、自治体へ確認してください。
