
カローラ指数が示す日本経済の真実をご存知ですか?カローラ指数とは、カローラの新車価格を年収で割った値で、私たちの購買力を如実に表す経済指標です。2025年最新のカローラ指数は0.50年分と、過去最悪レベルを記録。クルマの値段が上がりすぎ?それとも収入が伸びない?
平均年収と年収の中央値(=”真ん中の人”の年収)で2通り算出します。数字で殴れば、感覚論は消えます。
カローラ指数の作成方法(前提とデータ元)
- 価格は国内のカローラ(セダン)最安グレードのメーカー希望小売価格。
2025年5月時点の「X(2WD)」は2,279,200円。トヨタ公式のグレード比較PDFに記載の額です。 - 過去比較用に、2010年のカローラ アクシオ(X)新車価格1,440,000円(トヨタのカタログ/認定中古車サイトに残っている新車時価格)と、2000年のカローラ(X)新車価格1,348,000円を採用。 (トヨタ自動車WEBサイト)
- 年収は国税庁「民間給与実態統計調査」の平均給与(個人)。
2000年:461万円、2010年:412万円、2020年:433万円、2023年:460万円。 (国税庁) - 中央値は個人の統計が公的には出にくいので、今回は世帯の所得中央値(厚労省「国民生活基礎調査」)を採用。2022年は405万円。
※”個人の中央値”とは別物ですが、いまの生活者の体感に近い指標として使います。 (厚生労働省) - 参考として初代カローラ(1966年)のスタンダード価格43万2千円も押さえておきます(比較に年収が無いので指数計算はしません)。 (トヨタ自動車株式会社 公式企業サイト)
カローラ指数の実数値(平均年収版/中央値版)
年 | 代表モデル/グレード | 新車価格 | 指数(平均年収) | 指数(中央値)* |
---|---|---|---|---|
2000 | カローラ X | 1,348,000円 | 0.29年分 | — |
2010 | カローラ アクシオ X | 1,440,000円 | 0.35年分 | — |
2025 | カローラ X(2WD・HV) | 2,279,200円 | 0.50年分(2023年平均年収 460万円で割り算) | 0.56年分(世帯所得中央値 405万円で割り算) |
解釈:2000年は平均年収の約0.29年分でカローラの最安グレードが買えたのに、いまは約0.50年分。
約70%も”重く”なった計算です(0.29→0.50)。
根拠:価格(2000/2010/2025)と平均給与(2000/2010/2020/2023)、中央値(2022)。 (トヨタ自動車WEBサイト, 国税庁, 厚生労働省)
カローラ指数が悪化した3つの要因
- クルマ側のアップグレード
安全装備(自動ブレーキ/ACC/エアバッグの多化)、電動化(ハイブリッド化)、コネクテッド化で原価が上がる。いまのカローラは全車ハイブリッド化で燃費も装備も段違い。 - 日本の賃金の伸び悩み
2000年の平均給与461万円→2023年460万円。名目ですら横ばい。そりゃ指数は悪化します。 (国税庁) - 円安・原材料費
素材・半導体・輸送コストの上昇+円安で、国内価格に転嫁されやすい構造に。
(詳細は各社の決算や日経の素材価格レポート参照トピック。ここではメカニズムの話に留めます)
カローラ指数から考える「新車はもったいない?」
結論:用途とキャッシュフロー次第。でも”無理に新車”は投資家目線では非効率になりやすい。
- 新車プレミア(初期3年の値落ち+各種初期費用)が大きい一方、走行5万km前後の個体は既に初期減価を通過。
- カローラ級は故障リスクが相対的に低く、燃費・装備も十分なので、良質な中古で乗り出し価格を100万~150万円圧縮できれば、その分を投資に回す自由度が一気に上がる。
- 例えば100万円を年5%で10年運用すれば約163万円。購入タイミングで背伸びした”新車プレミア”の回収より、可処分資金の複利化の方が硬い(そして気がラク)。
「走る貯金箱」なんて車は存在しません。走る固定資産です(しかも減価償却は速い)。投資家なら、車両費は”最小限で目的を満たす”が正解。
カローラ指数の詳細な計算方法については、カローラ指数の完全ガイドもご参照ください。また、車購入と投資のバランスについては、カローラ指数を活用した賢い車選び術で詳しく解説しています。
じゃあどう動く?投資家向け”実務メモ”
- 指標化して自制:今回のカローラ指数=0.50年分を、あなたの候補車でも作ってみる。
- 中古の”質で選ぶ”:事故歴・塩害・異音なし、直近で消耗品交換済みを優先。
- 浮いたキャッシュは機械的に投資へ:新NISAの成長投資枠でeMAXIS Slim 全世界(オールカントリー)やS&P500インデックスに自動積立。
参考:ブログ内の関連記事(投資の姿勢)→ 「ダウ急落!だがしかしオールカントリー積み立てはやめるな」、「投資はギャンブルではない」。 (モグモブログ)
ここで一息:資金調達の選択肢を最適化
カーローンを使うなら、金利だけは絶対にサボらない。比較・審査の窓口を一本化できる
クラウドローンで最低金利ローンを探すのが早いです(スポンサー)。
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まとめ:カローラ指数が示す車と投資の新戦略
- カローラ指数は2000年0.29年分→2025年0.50年分。約70%悪化。車が高いだけでなく、賃金が伸びていないのもセット。 (トヨタ自動車WEBサイト, 国税庁)
- 新車にこだわる理由が明確でないなら、良質な中古+投資が”投資家の最適解”。
- 浮いたキャッシュはオールカントリーやS&P500に黙って積む。10年後、車は古くなるけど、資産は育つ。
付録:根拠リンク(主要データ)
- カローラ価格(2025年5月、グレードX 2,279,200円):トヨタ公式PDF。
- アクシオ価格(2010年 X 1,440,000円/G 1,670,000円):トヨタのカタログ/認定中古車サイト。 (トヨタ自動車WEBサイト, グーネット)
- カローラ価格(2000年 X 1,348,000円):トヨタU-Car。 (トヨタ自動車WEBサイト)
- 平均年収:国税庁(2000=461万円、2010=412万円、2020=433万円、2023=460万円)。 (国税庁)
- 世帯所得の中央値:厚労省「国民生活基礎調査」(2023公表、2022年の中央値=405万円)。 (厚生労働省)
- 初代カローラ(1966年)の価格(スタンダード 432,000円)。 (トヨタ自動車株式会社 公式企業サイト)
PS. この記事が刺さった人は、指標づくりのクセをぜひ生活全般に。“見える化”は浪費を止めて、投資を加速させます。