
小型株 バリュー株への投資は、長期的に市場平均を上回るリターンが期待できる投資戦略として注目されています。Fama & French (1992) の研究により、この投資手法が 新NISA × オルカン目線でどのように活用できるかを徹底解説します。
小型株 バリュー株投資の重要ポイント
- 3ファクターモデルは「小型株(SMB)+バリュー株(HML)」で市場を補強する理論。
- ただし短期での負け期も長く、“我慢”ファクターが最大のハードル。
- 筆者はオルカン教徒(eMAXIS Slim 全世界株式 1 本にフルベット)だが、理論を知ると”握力”が上がる。
1. 小型株 バリュー株理論がレジェンド扱いされる理由
- 従来(CAPM) はβ=市場との連動度だけで株価を説明しようとした。
- Fama & French は Book-to-Market(B/M=純資産÷時価総額) で企業の「割安さ」を測り、
サイズ(時価総額) と掛け合わせることで 説明力を約 70% → 95% に引き上げた。(mba.tuck.dartmouth.edu)
イメージ:
- SMB=”町の定食屋 vs グローバルチェーン”の価格差
- HML=”叩き売りワゴン(高 B/M)vs 最新ガジェットコーナー(低 B/M)”
2. 小型株 バリュー株の実際のリターンは?
1926-2023 年米国年率* | 小型バリュー | 市場全体 (CRSP) | 差分 |
---|---|---|---|
平均リターン | 13.5% | 10.1% | +3.4pt |
* Fama-French Data Library 6-Portfolios データより計算。(mba.tuck.dartmouth.edu)
YTD(2025/8/6 時点) では S&P500 +7.9% に対し Russell2000 −0.4%。小型株 バリュー株は短期では普通に負けることもあります。(AP News)
★ 教訓:ファクターは「長期的な保険料」。
短期の成績で乗り換えたら”保険”の意味がない。
3. 小型株 バリュー株投資での失敗談
新卒時代、勢いで米小型バリュー ETF を 30 万円分購入 → リーマンショック直撃で半値。
ビビって売却し、その 1 年後に元値+αへ戻り “握力不足” を痛感。
その反省で今は 「オルカン 1 本全力 × 新NISA」 を貫く教徒に進化。
“市場平均を握り続ける” こと自体が最強ファクターだと悟りました。
4. オルカンに小型株 バリュー株はどの程度含まれているか?
- オルカン:時価総額加重なので小型株は約 10%、バリュー指数への比重も控えめ。
- ロシア除外のような地政学ショックも吸収した分散が魅力(→ 詳細記事)
👉 オルカン ロシア除外の教訓 (モグモブログ)
- ロシア除外のような地政学ショックも吸収した分散が魅力(→ 詳細記事)
- S&P500:大型グロース偏重、ファクター成分はさらに希薄。
結論:小型株 バリュー株ファクターを”盛る”なら ETF や投信で別途トッピング。
ただし 筆者は追加していません(後述の理由)。
詳しい投資戦略については、小型株 バリュー株ETFの選び方完全ガイドもご参照ください。
5. 新NISAで小型株 バリュー株を組み込む3パターン
難易度 | つみたて枠 | 成長枠 | コメント |
---|---|---|---|
★ | オルカン100% | なし | 筆者推奨。枠管理・リバランス不要で握力 MAX |
★★ | オルカン | 米小型バリュー ETF (例 IWN) | 5〜10%ならメンタルを保ちやすい |
★★★ | オルカン | 米小型バリュー+海外バリュー複数 | リバランス地獄。趣味枠としてならアリ |
6. “売らずに資金を確保”という裏技
教育費・急な車検で投資継続がピンチ?
最低金利ローンを一括比較できる クラウドローン を非常用ハンマーにどうぞ。
筆者も 「NISA口座だけは絶対に割らない」 方針で車のローンで利用しました。※昨今の金利上昇はありますが、まだ投資利回りのほうが大きい。くれぐれも無理のないローンを。
7. よくある質問&秒速回答
Q | A |
---|---|
SMB/HML は永遠に機能する? | 収益源は”嫌われリスク”。市場が完全に効率化すれば薄まるが、100 年近く残存。 |
小型株って倒産が怖くない? | 個別株は確かに高リスク。指数 or ETF で “数百社に薄く” 分散するのが鉄則。 |
ファクター ETF の手数料は? | 米上場なら 0.05〜0.25% 程度。リターン 3pt 上乗せ仮説とコストを天秤に。 |
筆者はなぜオルカン 1 本? | 過去の “握力不足” から学び、「シンプル is 継続」を最重視。 |
8. 関連読み物でさらに理解を深める
- 📈 ダウ急落でもオルカン積立を続ける 5 つの理由 (モグモブログ)
- 🧩 Fama & French の”5ファクター版”をかみ砕いた記事(近日公開予定)
9. まとめ ― 小型株 バリュー株投資における”分散”と”握力”の重要性
- 理論:小型&バリューは長期的に市場を上回る保険料を提供。
- 現実:短期は普通に負けるのでメンタルと握力が試される。
- 実践:
- 新NISAつみたて枠は オルカン 1 本で土台(筆者も全力)。
- 余裕資金&好奇心があればファクター ETF をトッピング。
- 非常時:クラウドローンで “売らずに資金確保” という選択肢。
最終メッセージ
小型株 バリュー株への投資は魅力的ですが、長期投資はマラソン。派手なスパイクよりも 「完走できる靴」 を選ぶのが勝利の鍵です。
そしてその靴こそ、私にとっては オルカン 1 本 なのでした。
さらに詳しく学びたい方は、小型株 バリュー株投資の基礎知識もあわせてご覧ください。