
テスラ FSD 日本導入への影響は?Dojo解散でむしろ開発が加速する可能性も
結論(TL;DR)
- テスラは独自AIスーパーコンピューター「Dojo」の開発チームを解散。責任者のPeter Bannon氏も退社見込み。残った人員は社内の他プロジェクトへ再配置に。(Reuters, Bloomberg.com)
- 今後はNVIDIA/AMDのGPU活用や、サムスンとの半導体製造連携を強化する方針。独自チップ路線は”全面撤退”ではなく外部活用へリバランス。(Reuters, TechCrunch)
- これでFSDの開発が止まるわけではない。むしろ短期的には既存エコシステム(NVIDIA/AMD)に乗ることで学習速度が上がる可能性すらある。一方で、完全自社製の優位性(長期コスト/最適化)は弱まる。
- 日本導入は「技術」より法規・運用設計のハードルが依然メイン。日本はレベル4を一部解禁済みだが、乗用車の一般公道”無人”走行はまだ段階的に整備中。まずはレベル2(監督付き)機能の高度化からが現実路線。(city-yuwa.com, 貿易局)
テスラ FSD 日本展開に影響?「Dojo」解散の真相
- Dojo=テスラが自社で作ろうとしていたAI学習用の巨大コンピューター(自社設計チップ「D1」など)
- 目的:FSD(Full Self-Driving=自動運転ソフト)を動画データでガンガン学習させるための計算力を、自前で最適化&コスト低減すること
- 今回:チーム解散→社外GPU(NVIDIA/AMD)+サムスン製造へ重心移動。開発人員はテスラ社内の他AI/データセンター系に再配置。(Reuters, Bloomberg.com)
速報ベースですが、Bloomberg報道をReutersなどが追認する形。テスラからの公式詳細はこれから、という”進行中”のニュースです。(Reuters, Bloomberg.com)
テスラ FSD 日本向け開発:外部GPUで加速する新戦略
- 外部GPUの圧倒的スピード
NVIDIA(H200/B200/Blackwell世代)やAMD(MI300系)はすぐ買える/すぐ使える/ソフトスタックが成熟。自前で数年かけて改良するより、今季の学習を加速しやすい。(NVIDIA Newsroom, NVIDIA) - サムスンとの大型契約(約165億ドル/8年)
テスラの次世代AI6チップをサムスンのテキサス工場で製造へ。将来の推論(車載)~データセンターまで見据えた布陣で、”完全撤退”ではなく自社設計を外部製造で前進という読み。(Reuters, フィナンシャル・タイムズ)
つまりDojo=終了ではあっても、FSDの学習・改良自体は継続。計算資源の”調達先”を変えて前に進む、が実態です。(TechCrunch)
テスラ FSD 日本以外の世界展開:2025年~の見通し
- 北米:FSD Supervised(監督付き)が主戦場。ロボタクシー構想も併走するが、州許認可はまだ道半ば。(The Verge, Reuters)
- 中国:一部試用/機能拡張を進めつつ、正式な規制承認を待つ段階。データや名称の扱いも含めてローカル要件を調整中。(Reuters)
- 欧州:テスト拡大中だが認可がボトルネック。年内~来年に向けた段階解放を狙う。(テスララティ, The Times of India)
- 豪州/ニュージーランド:規制上のブロッカーなしとの当局調整コメント。ローカル検証を経て段階導入見込み。(The Driven, Not a Tesla App)
テスラ FSD 日本導入の現実的シナリオ(ここが本題)
1) テスラ FSD 日本対応の技術課題:右ハンドル/標識/道路文化の最適化
テスラは実走データで学習する”ビジョン中心”。日本特有の標識デザイン/細道/合流/右左折ルール/歩行者密度への最適化が必須。外部GPU移行はここに悪影響なし、むしろ学習速度は上がりうる。(NVIDIA)
2) テスラ FSD 日本の法規制:監督付き運転から段階的展開へ
日本は2023年改正道路交通法でレベル4(条件付き無人運行)を解禁。とはいえ現状は限定用途/ルートが中心で、乗用車の一般公道フル無人は段階整備の最中。現実的には、レベル2(監督付き)FSDの高度化→段階解放の順。(city-yuwa.com, 貿易局)
3) テスラ FSD 日本導入時期の予測
- ブログ内で以前出した私案は「まず監督付きFSDの段階解放→本格展開は2026年前後」。今回のDojo転換は、短期の学習速度をむしろ押し上げ得るため、この読みを維持します。
- 一方、法規の運用設計(責任/監視センター/データ要件等)は不確実性が大。ここが最終ゲート。(モグモブログ)
参考:FSD(スーパーバイズド=監督付き)の説明ページにも「地域で提供機能が異なる」旨の注記があり、日本ではすぐ全部の機能が使えるわけではありません。(tesla.com)
テスラ FSD 日本展開へのDojo解散の影響分析
リスク(正直に)
- 長期のコスト最適化&差別化:完全自社チップは運用の自由度/コストで有利になり得た。ここは将来の”原価/粗利”改善余地が目減りするリスク。
- サプライチェーン依存:NVIDIA/AMDは需給タイト。GPU調達競争にさらされる。(NVIDIA Newsroom)
好転ポイント
- 短期の開発スピード:すでに整ったソフト/ツール/ライブラリを使えるため、学習~実装のサイクルが速い。
- サムスンAI6:車載推論~データセンターまで射程に入る契約。“Dojoの看板”は下ろしても自社設計の芽は継続。(Reuters, フィナンシャル・タイムズ)
テスラ FSD 日本のオーナー/検討者向け:現実的な期待値
- 短期(~2025年内):大幅な裏側の学習強化が中心。日本での体感は限定的。
- 中期(2026年前後):監督付き機能の段階解放がもっともあり得るシナリオ。HW世代(HW4~)の優先や段階的販売/有効化に注意。※海外でもまずは特定ハード/段階展開の方針が多い。(Not a Tesla App)
テスラ FSD 日本導入に向けた考察(ちょい辛口)
- “魔法の黒箱(Dojo)神話”は終わり。でも開発は止まらない。テスラは“速さが正義”の会社。即戦力GPUで回し、同時に自社チップは外部製造で磨く──この二正面作戦は、技術的には理にかなってる。
- 日本市場は技術より制度。ここを動かすには、事故率や運行管理の実績(=データ)を国内でも積むしかない。Dojoの看板より、その地道な積み上げが数倍効く。
テスラ FSD 日本関連の詳細記事(内部リンクで深掘り)
テスラ FSD 日本導入について、さらに詳しく知りたい方はテスラ FSD 日本市場への完全ガイドもご覧ください。
- テスラ FSD 日本導入2026年予測|4カ国の実例から読み解く(編集部・もちくん) → テスラ FSD 日本の法規と導入時期をさらに詳しく解説
https://mo-gmo.com/tesla-fsd-japan-launch-2026-prediction/ (モグモブログ) - 【2025年最新】テスラ FSD 日本展開とサムスン165億ドルAIチップ契約の影響
https://mo-gmo.com/tesla-samsung-ai-chip-japan-impact/ (モグモブログ) - Grok 4 Tesla搭載で車載AIが革新的進化(テスラ FSD 日本でのAI×車載の未来像)
https://mo-gmo.com/grok-4-tesla/ (モグモブログ)
また、テスラ FSD 日本の最新動向についてはテスラ FSD 日本導入の完全ロードマップ2026でも詳しく解説しています。
ここまでの主要ソース
- Dojo解散の一次報道:Bloomberg/Reuters。人員再配置、Bannon氏の離任、NVIDIA/AMD/サムスン依存強化の流れ。(Bloomberg.com, Reuters)
- サムスンとAI6(約165億ドル/8年)の大型製造契約:FT/Reuters/TechCrunch。(フィナンシャル・タイムズ, Reuters, TechCrunch)
- 欧州/中国/豪州でのFSDの現況(テスト/承認待ち/段階展開):Reuters/The Driven/Not a Tesla App/Teslarati 等。(Reuters, テスララティ, The Driven, Not a Tesla App)
- 日本の自動運転制度(レベル4解禁の位置づけ・現状):法律事務所レポート(2025年版)/米商務省解説。(city-yuwa.com, 貿易局)
※本件は進行中のニュースです。テスラの公式資料公開や各社コメントが出次第、内容をアップデートします。
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