三菱自動車は2026年7月16日、コンパクトSUV「エクスフォース」のHEVをインドネシアで発売しました。エクスフォースHEVとガソリン車の違いは、燃費の数値だけではありません。HEVは1.6Lエンジン、高出力モーター、2速トランスアクスルを組み合わせ、既存のUltimateとExceedは1.5LエンジンとCVTを使います。
そのため、3グレードを「上・中・下」だけで並べると本質を見落とします。HEVは動力系そのものを替える選択、Ultimateはガソリン車のまま快適・安全装備を厚くする選択、Exceedは必要装備を見極めて導入額を抑える選択です。
最初に結論
- HEVが向く人:渋滞や市街地での滑らかな発進、電動感、燃料消費の抑制、専用ドライブモードを重視する人。
- Ultimateが向く人:パノラミックルーフや安全・快適装備を重視しつつ、動力系は1.5Lガソリン+CVTでよい人。
- Exceedが向く人:4エアバッグなど装備差を理解したうえで、3グレード中もっとも低い基準額を優先する人。
- 日本で待つ人:国内発売、国内仕様、国内価格は未発表。海外仕様の数値を日本仕様と決めつけないことが大切です。
この記事では、インドネシア公式情報を主軸にします。インドネシア公式ページで公開されていない細かな機械諸元は、同じエクスフォースHEVのタイ向け公式カタログを「タイ市場参考値」と明示して補います。最低地上高のように市場で異なる項目があるため、2市場の数値は混ぜません。
筆者の見立てでは、このクルマを判断するときに最も大事なのは、モーターの255N·mだけを見ることではありません。モーターの減速比、2速トランスアクスル、FF、AYC、車両重量が未確認であること、225/50R18タイヤまで一緒に見て、初めて走りと実用性の輪郭が見えてきます。
エクスフォースHEVのインドネシア発売で何が変わったか
- 2025年3月
エクスフォースHEVがタイで世界初公開。1.6L、モーター、2速を公表しました。
- 2026年7月16日
インドネシアで現地生産・発売。三菱の同国生産車で初のHEVです。
- 現在
HEV、Ultimate、Exceedの3グレードを展開。日本向け導入は未発表です。
インドネシア発売と日本発売は別の事実です。国内仕様は日本向け公式発表を待ちます。
まず、変わったのは動力系です。
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インドネシアで生産する初の三菱HEV

三菱自動車の日本語ニュースリリースによると、エクスフォースHEVはインドネシアで生産・販売する三菱車として初めてのHEVです。既存のエクスフォースが持つ5人乗りコンパクトSUVの車体に、PHEV開発で培った知見を生かしたHEVシステムを組み合わせました。
外部から充電して長い距離を電気だけで走るPHEVではなく、走行中の発電や回生でバッテリーを使うフルハイブリッドです。インドネシア公式は、満充電という表現だけに依存せず、エンジン、モーター、バッテリー、2速トランスアクスルが走行状況に応じて働く仕組みとして説明しています。
さらに、新しいポイントは動力系だけではありません。HEVにはEV、Charge、Tarmacを含む7つのドライブモードがあります。公式商品ページはフレームレス・パノラミックルーフや改良サスペンションも訴求しています。つまり、従来のガソリン車にHEVのバッジだけを付けた構成ではありません。
5人乗りの都市型SUVという立ち位置は共通
エクスフォースは全長4,390mm、全幅1,810mm級の5人乗りSUVです。3列シート車ではなく、日常の取り回し、後席、荷室をバランスさせる立ち位置です。HEVでも基本のボディコンセプトは変わらないため、動力系の差と同時に、駐車場で全幅1,810mmを扱えるか、家族5人で荷物を積む余裕があるかを見る必要があります。
「コンパクトSUV」という呼び方だけで、日本の5ナンバー車に近い幅を想像するのは危険です。全幅は1.8mを超えるので、機械式駐車場や古い月極駐車場では、幅だけでなくタイヤ外幅、ドアを開ける空間、パレットの制限も確認したいところです。
なお、2026年7月19日時点で日本向けエクスフォースHEVの発売は発表されていません。インドネシアでの発売は事実ですが、そのまま日本発売の予告と読むことはできません。
エクスフォースHEVとガソリン車の違いを先に整理
ジャカルタ首都圏の親グレード表示。色、地域、Premium Packageで最終額は変わります。
次に、3グレードの違いを先に見ます。
1.6L HEVと1.5Lガソリンは動力系そのものが違う
HEVは1.6L MIVEC DOHCエンジンと高出力モーター、リチウムイオン電池、2速トランスアクスルを組み合わせます。低速ではモーターの滑らかさを生かし、高速・定速域ではエンジンを効率よく使えるようにする考え方です。
一方、UltimateとExceedは1.5L DOHCエンジンとCVTの組み合わせです。インドネシア公式の従来型諸元は、排気量1,499ccです。最高出力は77kW(105PS)/6,000rpm、最大トルクは141N·m/4,000rpmとされています。CVTは変速ショックを抑えやすく、構成も理解しやすい方式です。ただし、HEVのようなモーター発進の感触やEV優先モードは持ちません。
| 比較点 | HEV | Ultimate/Exceed | 実用上の意味 |
|---|---|---|---|
| 主な動力系 | 1.6Lエンジン+モーター | 1.5Lエンジン | HEVは発進からモーターを使う電動感、ガソリン車はCVTとの素直な組み合わせが中心 |
| 変速・伝達 | 2速トランスアクスル | CVT | HEVは低速と高速で伝達を使い分け、ガソリン車は無段変速で回転数を調整 |
| 駆動方式 | FF(2WD) | FF(2WD) | どちらも4WDではない。AYCがあっても駆動輪は前輪 |
| ドライブモード | EV、Charge、Tarmacを含む7モード | ガソリン車は従来の路面対応モードが中心 | HEVは電気の使い方と舗装路の応答まで選択肢が広い |
| 外部充電 | 不要 | 不要 | HEVはPHEVではなく、日常的に充電ケーブルをつなぐ前提ではない |
| HEV電池保証 | 最長10年または20万kmの案内 | 対象外 | 適用条件、起算日、譲渡時の扱いは販売店で確認が必要 |
3グレードの基準額と差額の意味
インドネシア公式商品ページが2026年7月19日に表示していたジャカルタ首都圏のOTR基準額は、HEVが4億4,500万ルピア、Ultimateが3億9,900万ルピア、Exceedが3億8,800万ルピアです。色、地域、在庫、Premium Packageで最終額は変わるため、ここでは親グレード同士を比べます。
| グレード | 動力系 | 公式基準額 | 直下グレードとの差 | 差額を平たく言うと |
|---|---|---|---|---|
| HEV | 1.6L+モーター、2速、FF | Rp445,000,000 | UltimateよりRp46,000,000高い | モーター主体の動力系、専用モード、HEV電池保証へ払う差 |
| Ultimate | 1.5L+CVT、FF | Rp399,000,000 | ExceedよりRp11,000,000高い | ガソリンのまま、快適・安全装備を厚くする差 |
| Exceed | 1.5L+CVT、FF | Rp388,000,000 | ― | 装備を見極め、3グレード中もっとも導入額を抑える選択 |
HEVとExceedの差はRp57,000,000です。この差を「燃料代だけで回収できるか」に狭めると判断を誤りやすくなります。発進の静かさ、渋滞時の滑らかさ、7モード、バッテリー保証を含む所有体験にも価値を感じるかが分岐点です。
HEVとUltimateにはPremium Packageがあり、公式ページはツートーン、テールゲートスポイラー、電動テールゲート、運転席パワーシート、Yamaha Premiumサウンド、ワイヤレス充電、アンビエントライト、TPMS、トノカバーなどを案内しています。HEV側ではマルチアラウンドモニターも掲載されています。パッケージ額と対象装備は更新され得るため、見積書では親グレード、パッケージ、ボディカラーを分けて確認してください。
公式諸元を実用目線で読み解く
タイの詳細値は仕組みを読む参考で、インドネシア車や将来の日本車の確定値ではありません。
ここで、数値の出所を分けます。
インドネシア公式が公開しているHEVの主要値をまとめます。また、タイ向け公式カタログとレスキューガイドにある詳細値も補います。表では出所の市場が分かる形にしました。タイ市場参考値は、インドネシア車や将来の日本車の確定値ではありません。

| 区分 | 項目 | 公式値 | 市場・注記 |
|---|---|---|---|
| 発売 | インドネシア発売日 | 2026年7月16日 | インドネシア公式/日本語ニュースリリース |
| 車体 | 乗車定員 | 5人 | インドネシア公式 |
| 車体 | 全長 | 4,390mm | インドネシア公式、タイ公式とも同値 |
| 車体 | 全幅 | 1,810mm | インドネシア公式、タイ公式とも同値 |
| 車体 | 全高 | 1,650mm | 現行インドネシアHEV比較ページ/タイ公式 |
| 車体 | ホイールベース | 2,650mm | タイ市場参考値。従来のインドネシアガソリン車公式値も同値 |
| 車体 | 前/後トレッド | 1,565/1,565mm | タイ市場参考値 |
| 車体 | 最低地上高 | 212mm | 現行インドネシアHEV比較ページ |
| 車体 | 最低地上高 | 183mm | タイ市場参考値。市場差があるため混用しない |
| 取り回し | 最小回転半径 | 5.2m | タイ市場参考値 |
| 駆動 | 駆動方式 | FF/2WD | インドネシア・タイ公式 |
| エンジン | 型式・種類 | 4A92、直列4気筒MIVEC DOHC 16バルブ | タイ市場参考値 |
| エンジン | 総排気量 | 1,590cc | タイ市場参考値 |
| エンジン | ボア×ストローク | 75.0×90.0mm | タイ市場参考値 |
| エンジン | 圧縮比 | 14.0:1 | タイ市場参考値 |
| エンジン | 最高出力 | 79kW(107PS)/6,000rpm | タイ市場参考値 |
| エンジン | 最大トルク | 134N·m/4,500rpm | タイ市場参考値 |
| エンジン | 燃料供給 | 電子制御マルチポイント噴射・32bit | タイ市場参考値 |
| エンジン | 推奨燃料 | ガソホールE20 | タイ市場参考値。日本での指定燃料ではない |
| モーター | 最高出力 | 85kW(116PS) | タイ市場参考値 |
| モーター | 最大トルク | 255N·m | タイ市場参考値 |
| 電池 | 種類 | リチウムイオン | インドネシア・タイ公式 |
| 電池 | 容量 | 1.1kWh | タイ向け公式レスキューガイド参考値 |
| 電池 | 電圧 | 259V、最大310V | タイ向け公式レスキューガイド参考値 |
| 変速・伝達 | トランスアクスル | 2速 | インドネシア・タイ公式 |
| 変速・伝達 | High/Low比 | 3.384/4.588 | タイ市場参考値 |
| 変速・伝達 | エンジン/モーター減速比 | 2.107/9.215 | タイ公式カタログ参考値 |
| 操舵 | ステアリング | ラック&ピニオン式EPS | タイ市場参考値 |
| 足回り | 前サスペンション | マクファーソンストラット、スタビライザー、ビルトインストラットバー | タイ市場参考値 |
| 足回り | 後サスペンション | トーションビーム | タイ市場参考値 |
| 制動 | 前/後ブレーキ | ベンチレーテッドディスク/ディスク | タイ市場参考値 |
| タイヤ | ホイール | 18×7.0J、切削ツートーン | タイ市場参考値 |
| タイヤ | タイヤサイズ | 225/50R18 | インドネシア・タイ公式 |
| 燃料 | タンク容量 | 42L | インドネシアのガソリン車公式値/タイHEV公式値 |
| 燃費 | 公表値 | 24.4km/L | タイ市場の試験値。インドネシア仕様値ではない |
| 重量 | 車両重量 | 公式値を確認できず | 評価上の未確定項目。推測で補わない |
| 保証 | 車両/延長保証 | 3年または10万km+1年または2万km | インドネシア公式。詳細条件あり |
| 保証 | HEVバッテリー | 最長10年または20万km | インドネシア公式。適用条件を要確認 |
寸法、地上高、小回りをどう読むか
全長4,390mmは都市型SUVとして扱いやすい範囲です。ただし、全幅1,810mmは駐車場で無視できません。ホイールベース2,650mmは、後席空間と直進安定性に余裕を持たせやすい値です。一方、狭い曲がり角では前後輪の軌跡を意識します。最小回転半径5.2mというタイ参考値は、全幅を考えれば極端に大回りではありません。
最低地上高は、インドネシア現行比較ページの212mmと、タイ公式カタログの183mmが一致しません。タイ車はHEV部品の搭載、空力部品、測定条件、仕様設定などが関係している可能性がありますが、公式資料だけで原因は断定できません。数値の大きいほうだけを選んで「悪路に強い」と書くのではなく、購入市場の実車諸元を確認する必要があります。
エンジン、モーター、バッテリーをどう読むか
エンジンの79kWとモーターの85kWは、単純に足して164kWのシステム出力とはできません。最高出力が出る回転域や電池から供給できる電力が異なり、公式も単純合算値を示していないためです。
モーターの255N·mは回転し始めから力を出しやすく、発進や低速の再加速に向きます。エンジンは134N·m/4,500rpmで、モーターより高い回転域を担当します。1.1kWhというタイの電池容量は、長距離EV走行用というより、発進、加速補助、回生の受け皿を短い周期で回す設計だと読めます。
2速、足回り、タイヤをどう読むか
2速トランスアクスルは、低速用の4.588と高速用の3.384を持ちます。モーター側の9.215という大きな減速比は発進時の力をタイヤへ伝えやすくし、エンジン側の2.107と高速側ギアは巡航時の損失を抑える方向に働きます。
前ストラット+後トーションビームは、このクラスで一般的な空間効率重視の組み合わせです。前のスタビライザーとビルトインストラットバーは操舵時の車体反応を整える狙いがあります。一方、乗り心地はばねやダンパー、ブッシュ、車両重量、空気圧にも左右されるので、形式名だけでは決まりません。
225/50R18は、見た目と操舵応答を作りやすいサイズです。50扁平には一定のタイヤ厚がありますが、18インチなので、荒れた舗装での角の丸さや交換額は実車タイヤの銘柄と空気圧で確認したいところです。
インドネシア仕様の車両重量は未確認
重量は加速、制動距離、乗り心地、燃費のすべてに関わります。しかし、今回確認した現行インドネシア公式比較ページではHEVの車両重量を特定できませんでした。そこで、他市場や報道値で穴埋めせず「未確認」としました。販売店資料に重量が掲載されたら、タイヤの負荷指数やガソリン車との差と一緒に確認するのが適切です。
モーター、2速トランスアクスル、AYCから走りを読む
- 1発進・低速
85kW・255N·mのモーターと9.215の減速比で、応答を作りやすい構成です。
- 2速度上昇
Low 4.588からHigh 3.384へ使い分け、速度域を広げます。
- 3高速・定速
1.6Lエンジンとモーター切り離しで、駆動損失を抑える狙いです。
- 4旋回・路面
FF+AYC+7モードが姿勢を整えますが、4WDではありません。
車両重量が未確認のため、加速、制動、乗り心地の最終評価は試乗で行います。
ただし、ここからは試乗評価ではありません。
公式の機械構成から予想できる傾向を整理します。実車の加速感、ブレーキのつながり、段差での揺れは、最終的に試乗で確かめる必要があります。
発進と市街地は255N·mだけで判断しない
発進時は85kW・255N·mのモーターと9.215の減速比が組み合わさります。そのため、アクセル操作から前輪へ力が立ち上がるまでの遅れを小さくしやすい構成です。渋滞で少しずつ進む場面にも向きます。また、交差点を曲がって速度を戻す場面では、1.5L+CVTより動き出しを滑らかに作りやすいでしょう。
ただし、255N·mだけを見て「力強さは常にガソリン車の約2倍」とは言えません。タイヤが路面へ伝えられる力、バッテリー残量、温度、制御、車両重量が効くからです。雨天では前輪だけで駆動と操舵を担うため、強いトルクをそのまま出すのではなく、トラクション制御とAYCが介入する場面も考えられます。
筆者の見立てでは、HEVの価値が最も分かりやすいのは0-100km/hの数字より、0-30km/hを何度も繰り返す日常です。静かさ、応答、ブレーキ回生から再加速へのつながりを試乗で見ると、ガソリン車との差を生活に置き換えやすくなります。
高速域で2速とエンジン直結が担う役割
モーターは回転が上がるほど効率と出力の使い方が変わります。そこで2速のHigh側と、エンジンを駆動へ使う仕組みを持たせ、高速巡航や登坂で一つの減速比だけに頼らないのがエクスフォースHEVの特徴です。
三菱タイの公式説明では、速度が高く一定の場面でモーターを切り離し、損失を抑える制御も示されています。高速道路では、モーターだけで引っ張り続けるより、エンジンが得意な領域を使える可能性があります。Low 4.588とHigh 3.384の使い分けは、発進の力と巡航効率を両立するための機械的な土台です。
それでも、高速の余裕をエンジン107PSだけで決めることはできません。追い越しではモーターがどの程度加勢できるか、電池残量により応答がどう変わるか、車両重量と空気抵抗がどれほどかが関わります。試乗では80km/h前後からの再加速と、そのときのエンジン音を確認したいところです。
FF+AYCは四輪駆動ではない
AYCは三菱の旋回制御技術ですが、インドネシア向けエクスフォースHEVの駆動方式はFFです。後輪をモーターで駆動する4WDではありません。前輪左右の制動や駆動力制御、ASC、トラクション制御を組み合わせ、曲がる動きを整える考え方です。
Tarmac、Normal、Wet、Gravel、Mudに加え、HEVではEVとChargeを選べます。Tarmacは乾いた舗装路で応答と旋回感を楽しむ方向、WetやGravel、Mudは路面に合わせて空転や姿勢を抑える方向です。EVは可能な範囲で電気走行を優先し、Chargeはエンジンを使って電池残量を確保する場面に向きます。
雪道や深い泥で4輪へ駆動力を配る能力は、FF+AYCでは代替できません。悪路モードの数だけを見て4WD相当と考えず、必要なら駆動方式そのものを比較してください。三菱の4WD制御を知りたい場合は、アウトランダーPHEVのe-Assistとグレード比較も参考になります。
ボディサイズ、最低地上高、タイヤから使い勝手を読む
機械式駐車場ではミラー、パレット、ドア開口まで確認します。
タイ参考値。狭い立体駐車場では実車の内輪差も確認します。
インドネシアとタイで差があり、購入市場の仕様表を優先します。
操舵応答だけでなく、荒れた路面と交換時の負担も見ます。
寸法とタイヤは毎日の駐車、乗り降り、維持に直接効く確認項目です。
まず、日常では全幅が効きます。
全幅1,810mmと最小回転半径5.2m

日常で先に確認したいのは全長より全幅です。全幅1,810mmにはドアミラー分が加わります。そのため、幅1,850mm制限の機械式駐車場では余裕がほとんどありません。平置きでも、隣の車との間隔が狭ければ後席の乗り降りが窮屈です。チャイルドシートの操作空間も確認してください。
最小回転半径5.2mというタイ参考値は、Uターンや立体駐車場の旋回で扱いやすさを期待できる値です。ただし、右ハンドル/左ハンドル、タイヤ、ストッパー設定などで市場差が出る可能性があります。インドネシアの購入者は現地仕様値を販売店で確認し、日本導入を待つ人は5.2mを確定値として駐車計画に使わないほうが安全です。
最低地上高は市場差に注意
インドネシア公式比較ページは212mm、タイ公式カタログは183mmです。29mmの差は小さくありません。インドネシア値なら冠水しやすい路面や未舗装路で下回りの余裕を持ちやすく、タイ値でも一般的な乗用SUVとしては一定の余裕があります。
ただし、最低地上高が高いほど自動的に悪路性能が上がるわけではありません。FFであること、前後オーバーハング、タイヤ、アンダーカバー、進入角、渡河能力が別に効きます。数値の出所を明記したうえで、自分が買う市場の実車を測るのが確実です。
225/50R18の乗り心地と維持負担
225mm幅は発進時のモータートルクや旋回時の荷重を受け止めやすく、18インチの見た目もエクスフォースの力強さに合います。50扁平は極端に薄くありませんが、小径ホイールよりタイヤとホイールの質量が増えやすく、段差での入力や交換時の選択肢・支出に影響します。
乗り心地は「18インチだから硬い」と一言では決まりません。改良サスペンション、ダンパー速度、ブッシュ、タイヤのサイドウォール、指定空気圧、そして未確認の車両重量が相互に作用します。試乗ではきれいな幹線道路だけでなく、継ぎ目、マンホール、荒れた舗装を低速と中速で通り、前席と後席の収まりを比べたいところです。
長距離移動が多い人は、42Lタンクとタイ市場公表燃費24.4km/Lから単純計算した距離を、そのまま実走保証と考えないでください。三菱インドネシアは満タンとバッテリーで1,000km超を訴求していますが、気温、速度、渋滞、エアコン、乗員、路面で変わる市場向けの訴求値です。
HEV、Ultimate、Exceedはどれを選ぶべきか
後付けできない安全装備と動力系から決めると、差額の意味を判断しやすくなります。
結論として、後付けできない違いから選びます。
3グレードは「毎日のどの場面に差が出るか」で見ると選びやすくなります。装備数を上から数えるだけでは不十分です。
| グレード | 基準額と差 | 得られる中心価値 | 気をつけたい点 | 向く人 |
|---|---|---|---|---|
| HEV | Rp445,000,000 Ultimate比+Rp46,000,000 | 1.6L+モーター、2速、7モード、HEV電池保証。発進・渋滞時の電動感 | FFであり4WDではない。重量、実燃費、電池残量による応答は実車確認 | 市街地走行が多く、静かさ、滑らかさ、燃料消費の抑制を重視する人 |
| Ultimate | Rp399,000,000 Exceed比+Rp11,000,000 | 1.5L+CVTのまま、パノラミックルーフ、6エアバッグなど快適・安全装備を厚くする考え方 | HEVのEV/Chargeモードやモーター発進は得られない | 走行距離が極端に多くなく、動力系より装備充実を優先する人 |
| Exceed | Rp388,000,000 | 同じ基本ボディと1.5L+CVTを、3グレード中もっとも低い基準額で選ぶ | 公式商品情報では4エアバッグ。パノラミックルーフなど上位装備との差を要確認 | 装備表を細かく確認でき、必要な機能だけで十分な人 |
HEVが向くのは「距離」だけでなく「渋滞比率」が高い人
年間走行距離が多い人ほど燃料差は積み上がります。ただし、距離だけでは決まりません。同じ1万kmでも、信号と渋滞が多い都市部なら回生とモーター発進の機会が増えます。一方、一定速の郊外路ばかりなら差の出方が変わります。
朝夕の渋滞、短い送迎、立体駐車場の低速移動で、エンジン始動の回数や音を減らしたい人はHEVの価値を感じやすいでしょう。逆に、軽いアクセル操作に対する回生ブレーキの感触が好みに合うかは試乗が必要です。
Ultimateは「動力系より装備」の答え
UltimateとHEVの基準額差はRp46,000,000です。モーター主体の走りまで求めず、パノラミックルーフ、空調、6エアバッグなど、乗員が毎日触れる装備を重視するならUltimateが現実的です。
Exceedとの差はRp11,000,000なので、装備を後付けできるか、メーカー装着でしか得られないかを分けて考えます。エアバッグや車両統合制御は後から簡単に足せないため、安全装備を重視する人は差額だけで削らないほうがよいでしょう。
Exceedは「安いから」ではなく装備表を読める人向け
Exceedは基本のボディ、1.5Lエンジン、CVT、225/50R18を持ちつつ、装備を整理した入口です。購入時の差を小さくできても、必要なカメラ、電動ゲート、音響、エアバッグが足りなければ、後から同じ状態にはできません。
見積書を受け取る前に、家族が必要とする装備を「必須」「あれば便利」「不要」の3列に分けてください。Exceedで必須項目を満たすなら有力、二つ以上足りないならUltimateとのRp11,000,000差を再評価する、という順番が分かりやすいです。
筆者なら、渋滞の多い都市で5年以上使うならHEVを最初に試乗し、静粛性より装備を優先するならUltimateを基準にします。Exceedは装備表に納得できた場合だけ選びます。グレード名の序列ではなく、後付けできない機能から決めるためです。
購入前30秒診断と販売店で確認する10項目
- 1渋滞・短距離が多い
HEVを先に試し、発進、回生、静粛性を確認します。
- 2装備が優先
Ultimateを基準に、パノラマルーフ、安全装備、Packageを確認します。
- 3導入額が優先
Exceedの装備を必須・便利・不要の3列で確認します。
- 44WDが必須
3グレードともFFなので、候補車そのものを見直します。
重量、地上高、保証、タイヤ、再加速を販売店と試乗で確認してから決めます。
次に、商談前の確認を短く整理します。
5問の30秒診断

次の質問で「はい」がどこに集まるかを見ると、最初に試すグレードを絞れます。
- 週5日以上、渋滞や信号の多い道を走る → HEVを先に試乗
- 発進時の静かさと滑らかさを強く重視する → HEVを先に試乗
- パノラミックルーフや6エアバッグは欲しいが、モーター走行は必須でない → Ultimateを基準
- 必要装備を絞り、導入額を最優先したい → Exceedの装備表を確認
- 雪道やぬかるみで4輪駆動が必要 → 3グレードとも用途を再検討
「HEVが2つ以上」ならHEV、「Ultimate」が中心ならUltimate、導入額と最低限装備が中心ならExceedから商談を始めます。これは購入を決める診断ではなく、試乗順を決めるための入口です。
販売店で確認する10項目
- 購入する市場・年式の車両重量と前後軸重
- 実車の最低地上高と測定条件
- HEVの電池保証が適用される年数、距離、点検条件、譲渡条件
- 12VバッテリーとHEVバッテリーの保証区分
- Premium Packageの最新額、含まれる装備、単品選択の可否
- ボディカラー加算と納期
- HEV、Ultimate、Exceedのエアバッグ数と運転支援装備
- 装着タイヤのメーカー、銘柄、速度記号、指定空気圧
- EV/Chargeモードを使える条件と、電池残量が少ないときの動作
- 80km/h前後からの再加速、回生ブレーキ、荒れた路面を含む試乗コース
モーター駆動SUVの感触を別車種と比べたい人は、第3世代e-POWERを搭載する新型キックスの2WDとe-4ORCE比較も読むと、前輪駆動と四輪駆動の違いを整理しやすくなります。
日本導入を待つ人が誤解しやすい点
インドネシアで2026年7月16日に発売。現地でHEVを生産します。
発売日、国内仕様、基準額、燃費、保証、グレードは未発表です。
タイ24.4km/Lや地上高183mmを日本値として使いません。
日本向け諸元表、装備表、保証、型式指定の公式情報を待ちます。
海外のルピア額を円換算しても、日本の販売条件や標準装備は予測できません。
なお、日本向け商品はまだ発表されていません。
日本発売、国内仕様、国内価格は発表されていない
2026年7月19日時点の公式発表は、インドネシアでの生産・発売に関するものです。日本発売日、日本の型式、国内の保安装備、燃料指定、グレード、価格は発表されていません。右ハンドル市場で販売していることだけを根拠に、日本へそのまま導入されるとは断定できません。
日本ではコンパクトSUVの電動車需要があります。また、三菱はPHEV・EV・HEVの選択肢を広げています。そのため、エクスフォースHEVを国内商品候補として検討する可能性はあります。一方、販売網、衝突安全、排出ガス認証、装備の調整が必要です。競合との位置づけも決める必要があります。現時点では可能性の話にとどまります。※推測です
タイやインドネシアの値を日本仕様と断定しない
最低地上高がインドネシア212mm、タイ183mmと異なること自体が、市場仕様を横移しできない証拠です。燃費24.4km/Lもタイの試験値であり、日本のWLTCモード値ではありません。燃料もタイ資料ではE20が指定されており、日本仕様の燃料指定は未発表です。
仮に日本導入がある場合でも、安全装備、タイヤ、サスペンション、最低地上高、燃費表示、保証、グレード構成が変わる可能性があります。海外仕様の85kW・255N·mというモーター値は技術の手掛かりになりますが、日本車の確定諸元として予約判断に使うべきではありません。※推測です
また、インドネシアのルピア価格をその日の為替だけで円換算しても、関税、物流、認証、販売施策、税制、標準装備が違うため、日本価格の予想にはなりません。日本向けの金額が発表された段階で、国内競合と装備をそろえて比較するのが適切です。※推測です
同じ家計枠で比べる資金計画
日本未発売のエクスフォースHEVの販売額予想ではありません。一般的な家計配分例です。
ここで、車両以外へ残す枠も比べます。
エクスフォースHEVは日本未発売です。そのため、海外価格を円換算せず、国内でクルマを選ぶ際の一般例として考えます。車両本体だけで予算を使い切ると、保険や整備の余裕がなくなります。タイヤ、ドラレコ、コーティング、駐車場も同じ家計枠から出ます。

総額400万円の同じ財布で見る
総額400万円を「同じ財布」とした場合、車両と用品へ330万円を使えば70万円が保険・整備予備費に残り、370万円を使えば残りは30万円です。上位動力系へ40万円多く配分すると、毎月の燃料差だけでなく、手元に残す40万円の安心も同時に手放します。
| 一般例 | 車両・用品への配分 | 保険・整備・予備費 | 判断の焦点 |
|---|---|---|---|
| 余裕重視 | 330万円 | 70万円 | タイヤ交換や保険料上昇にも備えやすい |
| 上位仕様重視 | 370万円 | 30万円 | 毎日使う動力系・装備へ先に配分する |
例えば、元金300万円、年2.5%、60回、ボーナス払いなしなら月額は約5万3,200円です。元金を350万円に増やすと約6万2,100円です。月の差は約8,900円になります。ただし、金利、手数料、初回・最終回の端数で変わります。実際の申込条件では返済予定表を確認してください。
HEVの燃料差で借入差を埋める、と先に決めるのはおすすめしません。年間距離、渋滞比率、燃料単価、実燃費がそろわないと回収年数は出せないからです。まず動力系の価値を試乗で判断し、その後で同じ頭金・同じ期間・同じ金利の見積もりを並べます。
複数の借入条件を同じ前提で比べたい場合は、スポンサーの クラウドローン のような比較サービスも選択肢になります。申込前に総返済額、手数料、繰上返済条件まで確認してください。
この記事ではリセール予測を入れていません。インドネシア発売直後で、日本の同型HEVに中古成約データがないためです。根拠のない残価を頭金代わりに置かず、売却額がゼロでも無理のない家計枠を先に作るほうが安全です。
よくある質問
不要です。走行中の発電と回生を使うフルハイブリッドです。
FF/2WDです。AYCがあっても後輪駆動はありません。
エンジンとモーターの最高出力は単純合算できません。
2026年7月19日時点で日本向け発表はありません。
数値は出所の市場を確認し、購入市場の公式諸元と取扱説明書を優先します。
最後に、誤解しやすい点へ答えます。
エクスフォースHEVは外部充電が必要ですか
日常的な外部充電は不要です。PHEVではなく、エンジン発電と減速時の回生でバッテリーを使うフルハイブリッドです。EVモードがあっても、大容量電池で長距離を電気だけで走る意味ではありません。
エクスフォースHEVは4WDですか
インドネシアとタイの公式仕様はFF/2WDです。AYCは旋回時の姿勢を整える制御ですが、後輪を駆動する4WDではありません。雪道や悪路で4輪の駆動力が必要なら、別の駆動方式を比較してください。
7つのドライブモードは何ですか
タイ公式仕様ではNormal、Wet、Gravel、Tarmac、Mud、EV-Priority、Chargeです。インドネシア公式商品ページもEV、Charge、Tarmacを新しいモードとして案内しています。作動条件や表示名は購入市場の取扱説明書で確認してください。
公式燃費24.4km/Lはインドネシア車でも同じですか
24.4km/Lはタイ市場の公式試験値です。インドネシア仕様の確定燃費としては扱っていません。試験方法、タイヤ、最低地上高など市場仕様が異なるため、現地表示を確認してください。
エンジン107PSとモーター116PSを足して223PSですか
単純合算はできません。エンジンとモーターの最高出力が出る条件が異なり、電池出力や制御も関わります。公式がシステム最高出力を示していない以上、223PSと表記しないのが正確です。
日本発売は決まっていますか
2026年7月19日時点で、日本発売は発表されていません。今回のニュースはインドネシアでの生産・発売です。国内仕様の判断は三菱自動車の日本向け公式発表を待つ必要があります。
なぜタイ仕様の諸元を載せているのですか
インドネシア公式ページだけでは、エンジンのボア・ストローク、圧縮比、2速の比、モーター減速比、バッテリー容量などの詳細を確認できないためです。同じエクスフォースHEVの仕組みを理解する参考として載せ、市場区分を明記しました。
筆者の見立て
渋滞の滑らかさ、電動感、7モードへ価値を感じるなら最初に試します。
ガソリンのまま、後付けしにくい快適・安全装備を重視する選択です。
必要装備を明確に絞れ、装備表へ納得できる場合の入口です。
重量、地上高、安全装備、保証が日本向けに出てから比較します。
一つの出力値や海外基準額ではなく、毎日の使い方へ置き換えて選びます。
HEVは別の動力系として見る
エクスフォースHEVは、ガソリン車に小さな燃費装備を足したモデルではありません。85kW・255N·mのモーターと2速トランスアクスルを組み合わせます。さらに、モーター切り離しとEV/Chargeを含む7モードも備えます。街中の電動感と高速域の効率を一台でつなぐ狙いが見えます。

一方で、FFであること、車両重量が公式に確認できないこと、インドネシアとタイで最低地上高が違うことは、走りを断定しないための重要な情報です。モーターの一つの数字だけで速い・遅いを決めず、再加速、回生ブレーキ、荒れた舗装、後席の揺れまで試乗で確かめたいクルマです。
3グレードと日本待ちの判断
グレードは毎日の使い方で整理できます。渋滞と短距離が多く、電動感へ価値を感じるならHEVです。装備を重視し、動力系はガソリンでよければUltimateです。必要装備を明確に削れるならExceedが候補になります。
一方、日本導入を待つ場合は海外基準額の円換算を急がないほうが確実です。日本仕様の重量、最低地上高、安全装備、保証が公表されてから比べてください。
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参照した主な情報源
- 三菱自動車「コンパクトSUV『エクスフォース』のHEVモデルをインドネシアで発売」2026年7月16日 https://www.mitsubishi-motors.com/jp/newsroom/newsrelease/2026/20260716_1.html
- Mitsubishi Motors Indonesia「New Xforce」公式商品ページ https://www.mitsubishi-motors.co.id/our-cars/new-xforce
- Mitsubishi Motors Indonesia「Hybrid Electric Vehicle」公式解説 https://www.mitsubishi-motors.co.id/hev
- Mitsubishi Motors Indonesia「New Xforce」公式比較ページ https://www.mitsubishi-motors.co.id/car-comparison?method=unit&products=new-xforce&variants=019f6644-57af-7185-93ab-768cae82e12d
- Mitsubishi Motors Indonesia「Mitsubishi XFORCEをインドネシア各都市で紹介」公式諸元 https://www.mitsubishi-motors.co.id/siaran-pers/mmksi-mulai-perkenalkan-mitsubishi-xforce-di-berbagai-kota-besar-seluruh-indonesia
- Mitsubishi Motors Thailand「All-New XFORCE HEV」公式車種ページ https://www.mitsubishi-motors.co.th/en/cars/xforce-hev
- Mitsubishi Motors Thailand「All-New XFORCE HEV」公式カタログ https://www.mitsubishi-motors.co.th/content/dam/mitsubishi-motors-th/images/documents/brochure/all-brochure/June2025/city-car/All-New%20XFORCE%20HEV%20-%20CATALOG%20%281%29.pdf
- Mitsubishi Motors Thailand「XFORCE HEV Emergency Response Guide」https://www.mitsubishi-motors.co.th/content/dam/mitsubishi-motors-th/images/documents/brochure/all-brochure/June2025/1/Mitsubishi_XFORCE%20%28HEV%29_ENG_ERG.pdf
- Mitsubishi Motors「All-New Xforce HEV makes global debut in Thailand」2025年3月20日 https://www.mitsubishi-motors.com/en/newsroom/newsrelease/2025/20250320_1.html
