三菱自動車とゲヒルンは2026年9月1日、アウトランダーPHEVの特別仕様車「BLACK Edition」をベースにした「特務機関NERV制式 電源供給・衛星通信車両 5LA-GN0W(改)」の運用を始めました。NERV災害対策車5号機は、停電時の電源だけでなく、地上通信網が途絶した場面で衛星通信を確保する役割も担います。
ただし、同じBLACK Editionを購入すればNERV車両と同じ通信環境が手に入るわけではありません。SpaceXの衛星通信アンテナと、準天頂衛星「みちびき」を使うQ-ANPI端末は、災害対策車側へ追加された装備です。市販車で確認すべきなのは、AC100V・最大1500Wのアクセサリーコンセント、V2H用DC電源、22.7kWhの駆動用電池、PHEVの発電能力、4WDの移動性能です。
この記事では、アウトランダーPHEV 災害対策を、市販車で使える機能と専用車だけの機能に分けます。さらに、BLACK Editionの実用公式諸元、M・G・P・P Executive Packageとの価格差、走りと使い勝手、停電前に試しておきたい項目まで購入判断へ置き換えました。
最初に結論
- BLACK Editionが向く人は、給電・V2Hに加え、NERV5号機と同じベース車、黒い外装、20インチホイール、上級オーディオまで重視する人です。
- MまたはGが向く人は、災害時のAC100V給電とV2Hを確保しつつ、車両価格を抑えたい人です。給電の基本機能は全グレードに標準装備されています。
- P Executive Packageが向く人は、災害時だけでなく日常の長距離で、シートベンチレーション、後席ヒーター、上級オーディオなどの快適性を優先する人です。
- 慎重にしたほうがいい人は、BLACK Editionに衛星通信が標準で付くと考えている人、1500Wなら家庭の全家電を同時に動かせると考えている人、浸水路でも4WDなら走れると考えている人です。
NERV災害対策車5号機は何が新しいのか
- 2019年12月災害対策車の運用開始
停電と通信途絶に備え、防災情報配信を継続。
- 2026年9月1日5号機の運用開始
アウトランダーPHEV BLACK Editionをベースに製作。
- 通信SpaceXとQ-ANPI
インターネット接続と衛星安否確認の経路を確保。
- 現在3号機と5号機の2台
千代田区に配備し、要請に応じて全国へ派遣。
衛星通信アンテナとQ-ANPI端末はNERV車両の追加装備で、市販BLACK Editionの標準装備ではありません。
2026年9月1日に運用を始めた5号機は、アウトランダーPHEV BLACK Editionをベースにしています。正式名称にある 5LA-GN0W(改) のうち、5LA-GN0Wは市販アウトランダーPHEVと同じ型式です。ただし、末尾の「改」が示すように、衛星通信装備などを追加した専用車であり、市販車の諸元を改造後の重量や消費電力へそのまま当てはめることはできません。

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2026年9月1日から2台体制
ゲヒルンと三菱自動車は2019年12月から、災害時にも電力と通信を独自に確保して、防災情報配信と自治体支援を続ける車両を運用してきました。5号機の配備により、前型アウトランダーPHEVベースの4号機は退役します。
今後は、エクリプス クロスPHEVをベースにした3号機と、今回の5号機の2台体制です。両車は東京都千代田区に配備され、首都直下地震などへの備えに加え、派遣要請に応じて全国のイベントや被災地へ出動します。
筆者が注目するのは、単に新しい車へ置き換えた点ではありません。災害対応車を2台に保ち、電源と通信を一つの車両へまとめた運用を続けることです。移動、給電、情報発信を別々に準備すると、現場への到着時刻や設置場所がずれます。車両一台にまとめる考え方は、個人の防災でも「車から何へ電気を渡し、誰とどう連絡するか」を一緒に決める必要があると教えてくれます。
SpaceX衛星通信とQ-ANPI
5号機はSpaceXの衛星通信サービス用アンテナを搭載し、地上の通信網が途絶した状況でもインターネット接続を確保します。さらに、内閣府準天頂衛星システム戦略室から貸与された、準天頂衛星「みちびき」を利用する衛星安否確認サービスQ-ANPIの端末も引き続き搭載します。
インターネット回線と安否確認経路を分けて持つのは、災害時に一つの通信手段へ依存しないためです。公表資料ではアンテナの型番、通信速度、月額契約、消費電力、連続利用時間までは示されていません。これらを市販車の機能として期待したり、通信時間を推計したりしないほうが安全です。
市販BLACK Editionに含まれない装備
SpaceXアンテナとQ-ANPI端末は、NERV5号機の専用装備です。市販BLACK Editionの公式装備表に衛星通信アンテナやQ-ANPIは含まれていません。一般の購入者が衛星通信を使いたい場合は、通信サービスの契約、アンテナの設置方法、車両電源との接続、走行中と停車中の利用条件を別に確認する必要があります。
つまり、NERV5号機から個人が学べるのは「同じ装備を再現すること」ではなく、「電源と通信を別々に備えること」です。車両の給電機能は停電時に役立ちますが、携帯基地局や固定回線が使えない場合の連絡手段は別の問題として残ります。
市販BLACK Editionで使える給電機能
2口の合計を1500W以内にし、家電へ直接給電。
住宅との接続にはV2H機器と施工が必要。
EV走行と外部給電の両方に使う駆動用電池。
電池残量が減ると走行と給電を補う。
排気滞留、たこ足配線、1500W超過を避ける。
最大約11日分は一般家庭10kWh/日、変換効率を含まない自社試算です。V2H接続中はエンジン発電できません。
市販アウトランダーPHEVには、AC100V・最大1500Wのアクセサリーコンセントと、V2H用DC電源10kWが標準装備されています。BLACK Editionだけの機能ではなく、P Executive Package、P、G、Mを含む全グレードで使えることが公式装備表に示されています。
自宅で車の電気を使う仕組みを先に整理したい人は、V2H充放電設備と外部給電器の違いも合わせて確認してください。車内コンセント、V2H、外部給電器は、電気を渡す先と必要な設備が異なります。
AC100V最大1500Wは合計で考える
アクセサリーコンセントは、フロアコンソールボックスとラゲッジルームの2か所にあります。公式ページではノートパソコン、電気ケトル、ヘアドライヤー、電子レンジが利用例として挙げられています。ただし、2つを同時に使う場合も合計1500W以内です。
1500Wを超えると給電停止または出力低下となる場合があり、たこ足配線も禁止されています。定格消費電力が1500W以下でも使えない機器があります。冷蔵庫やポンプのように起動時の電力が大きい機器は、定格値だけでなく取扱説明書と実機での確認が必要です。
駆動用バッテリーの残量が少なくなると、アクセサリーコンセント使用中にエンジンが自動始動して充電します。屋内、車庫、壁に囲まれた換気の悪い場所、雪で排気が滞留しやすい場所では、プラグインハイブリッドEVシステムを長時間作動させないよう公式取扱説明書が警告しています。停電時ほど「電気が使えるか」だけでなく、排気がどこへ流れるかを先に確認してください。
V2H用DC電源10kWは住宅設備とセット
V2Hは、車両の電気を住宅側へ渡す仕組みです。アウトランダーPHEVはV2H用DC電源10kWを標準装備しますが、住宅と接続するには別途V2H機器と電気工事が必要です。車を買っただけで分電盤へ給電できるわけではありません。
三菱自動車は、エンジン発電を組み合わせた場合、ガソリン満タンで一般家庭の最大約11日分の電力を供給できると案内しています。自社試算の前提は、一般家庭の使用電力量を1日約10kWhとすること、V2H機器などの変換効率を含めないことです。家庭の消費量、季節、家電、燃料残量で実際の日数は変わります。
最大約11日分を読むときの条件
公式注記では、V2H機器に接続している間はエンジン始動による発電ができません。エンジンで発電する場合はV2H機器との接続を終了する必要があります。したがって、「V2Hにつないだまま自動で発電し、11日間ずっと家へ送る」と理解するのは誤りです。
筆者は、日数よりも運用を先に決めるべきだと考えます。冷蔵庫、通信機器、照明、空調を全部動かすのか、最低限へ絞るのかで持続時間は大きく変わります。停電が起きてから説明書を読むのではなく、平時にV2Hの切替手順とコンセント給電を一度試すほうが実用的です。
アウトランダーPHEV BLACK Editionの実用公式諸元
改造後のNERV5号機は通信機器などを積むため、市販車の重量や電力消費をそのまま当てはめられません。
NERV5号機のベースはBLACK Editionです。ここでは、市販BLACK Editionの公式諸元を一覧にします。改造後のNERV5号機は通信機器などが追加されるため、車重、積載、電力消費、連続運用時間が市販車と同じとは限りません。

| 項目 | BLACK Edition 5人乗り | BLACK Edition 7人乗り | 実用上の意味 |
|---|---|---|---|
| 価格 | 6,810,100円 | 6,901,400円 | 7人乗りは91,300円高い |
| 型式・駆動 | 5LA-GN0W・4WD | 5LA-GN0W・4WD | 前後モーターとS-AWCを使う |
| 全長×全幅×全高 | 4,720×1,860×1,750mm | 同左 | 狭い住宅地と駐車幅を確認 |
| ホイールベース | 2,705mm | 同左 | 直進安定と室内長の土台 |
| トレッド 前/後 | 1,590/1,595mm | 同左 | 前後の接地幅は共通 |
| 最低地上高 | 200mm | 同左 | 段差余裕はあるが浸水路の保証値ではない |
| 室内長×幅×高 | 1,920×1,520×1,220mm | 2,450×1,520×1,220mm | 7人乗りは3列目分だけ室内長が長い |
| 車両重量 | 2,140kg | 2,180kg | 7人乗りは40kg重い |
| 最小回転半径 | 5.5m | 5.5m | 全長4.72mのSUVとして切り返しを確認 |
| エンジン | 2.359L 4B12、98kW(約133PS)/5,000rpm、195N・m/4,300rpm | 同左 | 発電と高速域の駆動を担う |
| 前モーター | 85kW(約116PS)、255N・m | 同左 | 発進直後から前輪を駆動 |
| 後モーター | 100kW(約136PS)、195N・m | 同左 | 後輪を独立して駆動 |
| 駆動用電池 | リチウムイオン、355V、22.7kWh | 同左 | EV走行と外部給電の電源 |
| 最終減速比 | エンジン3.431、前モーター9.383、後モーター8.153 | 同左 | 前後モーターの回転を駆動力へ変換 |
| WLTCハイブリッド燃費 | 17.2km/L | 17.2km/L | 充電状態と使い方で実燃費は変わる |
| EV走行換算距離 | 102km | 102km | 日常移動をEVで賄える目安 |
| WLTC交流電力量消費率 | 227Wh/km | 227Wh/km | 電池からの取り出しと充電損失を含む審査値 |
| 一充電消費電力量 | 23.22kWh/回 | 23.22kWh/回 | 満充電1回の審査上の電力量 |
| 充電 | 普通充電+急速充電 | 同左 | 公式目安は普通約7.5時間、急速約32分で80% |
| 車内給電・V2H | AC100V最大1500W、V2H用DC10kW | 同左 | 家電直結と住宅給電は別経路 |
| 燃料タンク | 53L | 53L | 電池残量低下後の走行・発電に使う |
| ステアリング | ラック&ピニオン、電動パワーステアリング | 同左 | 操舵方式は全グレード共通 |
| サスペンション 前/後 | マクファーソンストラット/マルチリンク | 同左 | 前後で役割を分ける独立懸架 |
| ブレーキ 前/後 | ベンチレーテッドディスク/ベンチレーテッドディスク | 同左 | 2.1t級を四輪で制動 |
| タイヤ | 255/45R20 101W | 同左 | 幅255mmの20インチ |
サイズ・車重・取り回し
全長4,720mm、全幅1,860mmは、住宅地や古い立体駐車場では事前確認が必要な大きさです。最小回転半径は5.5mですが、車幅があるため、曲がれるかだけでなくドアを開けられる余白、充電口とV2H機器の位置も見ます。
最低地上高200mmは、日常の段差や荒れた路面で余裕を持ちやすい数値です。一方で、水深何mmまで走れるという意味ではありません。災害時に冠水した道路へ入る判断は、最低地上高ではなく通行規制と現場情報を優先してください。
5人乗り2,140kg、7人乗り2,180kgという重量は、22.7kWh電池、前後モーター、4WD機構、上級装備を含んだ結果です。非常用品を積むと総重量はさらに増えます。積載上限、タイヤ空気圧、荷物の固定は取扱説明書と販売店で確認する必要があります。
エンジン・モーター・電池
2.359Lエンジンは98kW(約133PS)/5,000rpm、195N・m/4,300rpmです。前モーターは85kW(約116PS)・255N・m、後モーターは100kW(約136PS)・195N・m。前後モーターの最大出力を単純に足して185kW(約252PS)のシステム出力と断定することはできません。電池やインバーター、エンジンとの協調制御で同時に出せる出力が決まるためです。
22.7kWh電池は、WLTCで102kmのEV走行換算距離を支えます。Mだけは18インチタイヤと軽い車重により106km、WLTC燃費17.6km/Lです。BLACK Editionを含む20インチ仕様は102km、17.2km/Lなので、外観と上級装備には小さな効率差が伴います。
充電時間の確認範囲
三菱自動車のPHEVポータルは、アウトランダーPHEVの目安としてAC200V/15Aの普通充電で満充電まで約7.5時間、急速充電で80%まで約32分と案内しています。充電器の出力、電池温度、残量、空調使用で実時間は変わります。
災害前の備えでは、急速充電の速さだけでなく、自宅で夜間に満充電へ戻せるか、停電前にガソリンを確保できるか、普通充電ケーブルをすぐ取り出せるかを確認します。電池と燃料の両方を持てることがPHEVの強みですが、どちらも空のままでは役立ちません。
出力・車重・4WD・タイヤから走りを読む
発進ではモーター応答が重さを補う一方、高速・登坂・満載では車重の影響が表れます。試乗していない諸元からの見立てです。※推測です
アウトランダーPHEVの走りを、前後モーターの数値だけで判断するのは不十分です。2.1tを超える車重、前後の減速比、4WD/S-AWC、20インチタイヤ、前ストラット・後マルチリンクまで組み合わせて読む必要があります。
前後モーターと減速比
前モーターは255N・m、後モーターは195N・mを発生します。最大トルクの回転数表記は公式諸元にありませんが、電動モーターは発進直後から応答を作りやすく、エンジンが4,300rpmで最大トルクへ達するまでの間を補えます。前9.383、後8.153という減速比も、モーター回転をタイヤ側の駆動力へ変える要素です。
筆者の見立てでは、2,140〜2,180kgの重量があっても、発進や低速の向き変更では前後モーターの応答が重さを感じにくくする場面があります。一方、高速域の加速、連続する登り、満載時は車重と電池残量の影響が表れやすく、常に軽快だとは言えません。試乗していない諸元からの見立てです。※推測です
S-AWCは駆動力、制動力、旋回の制御を統合します。雨や雪で左右の路面状態が違う場面では、4WDであることだけでなく、前後モーターをどう配分するかが安定性に関わります。ただし、物理的なタイヤのグリップを超えることはできません。
2.1t級の車重と20インチ
255/45R20タイヤは、幅255mmで車体を支えます。幅広タイヤと20インチホイールは操舵に対する反応と接地感を得やすい一方、45扁平は路面からの入力やタイヤ損傷を確認したい寸法です。荒れた避難路、雪道、未舗装路を重視するなら、見た目だけでなく冬タイヤの選択肢と交換費用も販売店で確認します。
前後ベンチレーテッドディスクは、重い車体の制動を四輪で受け持ちます。PHEVは回生ブレーキも使いますが、電池が満充電に近いときや低温時など、回生の効き方が同じとは限りません。下り坂での操作感は、満充電と電池残量が減った状態の両方で試す価値があります。
災害路で過信しない条件
最低地上高200mm、4WD、S-AWCがあっても、冠水、崩落、深い泥、落下物を安全に通過できる保証にはなりません。通行止めや避難情報が出ている道路へ入らず、車両を電源として使う場合も排気、傾斜、周囲の可燃物、雨水への対策を優先してください。
筆者は、防災目的で選ぶなら「悪路を突破する車」と考えるより、「通行可能な道を移動し、到着後に電気を渡せる車」と捉えるほうが現実的だと考えます。NERV5号機も、車単体の走破性だけでなく、派遣要請と情報収集を組み合わせて運用されます。※推測です
BLACK EditionとM・G・P・P Executive Packageの違い
BLACK EditionはP Executive Packageより110,000円高い設定です。給電、電池、前後モーター、4WDは共通です。
アウトランダーPHEVは、M、G、P、P Executive Package、BLACK Editionの5グレードです。全車4WDで、2.359Lエンジン、前後モーター、22.7kWh電池、AC100V最大1500W、V2H用DC10kW、普通・急速充電を共通で使います。

| グレード | 5人乗り価格 | Mとの差 | 定員・タイヤ | 主な実質差 | 価格差を払う意味 | 向く人 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| M | 5,369,100円 | 基準 | 5人・235/60R18 | LEDヘッドライト、MITSUBISHI CONNECT等は上位と差あり | 防災給電とPHEV基本性能を低い価格から得る | 5人乗りで価格と106kmのEV航続を優先 |
| G | 5,985,100円 | +616,000円 | 5/7人・255/45R20 | ALH、デジタルルームミラー、CONNECT、電動テールゲートを標準化 | 日常装備を後付けせずそろえる | 価格と装備の均衡を取りたい |
| P | 6,419,600円 | +1,050,500円 | 5/7人・255/45R20 | 3ゾーン空調、アルミペダル、上級内装、Yamaha Premium | 長距離と後席の快適性を上げる | 家族移動と装備を重視 |
| P Executive Package | 6,700,100円 | +1,331,000円 | 5/7人・255/45R20 | セミアニリンレザー、前席リフレッシュ・ベンチレーション、後席ヒーター、Yamaha Ultimate | 乗員全体の快適性を最上級へ上げる | 長距離が多く内装を優先 |
| BLACK Edition | 6,810,100円 | +1,441,000円 | 5/7人・255/45R20 | 黒い外装・ルーフレール・ホイール、Yamaha Ultimateなど | P Executive Packageより110,000円で黒基調の専用外観を選ぶ | NERV5号機と同じベース車と外観を重視 |
同じPHEV・給電性能
防災機能だけを目的にするなら、BLACK Editionへ上げなければならない理由はありません。MでもAC100V最大1500W、V2H用DC10kW、普通・急速充電を標準装備します。Mは車重2,070kg、18インチタイヤで、EV走行換算距離106km、WLTC燃費17.6km/Lと、上位グレードよりわずかに効率が高い点も見逃せません。
GはMより616,000円高い一方、アダプティブLEDヘッドライト、デジタルルームミラー、MITSUBISHI CONNECT、エレクトリックテールゲートなどを標準化します。暗い避難路で周囲を確認する機能や、日常の荷物出し入れを重視するなら差額に意味が出ます。
PはGより434,500円高く、3ゾーン空調や上級内装を得ます。P Executive PackageはPより280,500円高く、前席ベンチレーション、リフレッシュ機能、後席ヒーター、12スピーカーのDynamic Sound Yamaha Ultimateなどを標準装備します。災害時の給電能力が上がる差ではなく、平時の快適性へ払う差額です。
110,000円差から見るBLACK Edition
BLACK Editionの5人乗りは6,810,100円で、P Executive Packageより110,000円高い設定です。マットブラックのフロントグリルモール、グロスブラックのダイナミックシールドやルーフレール、ブラックマイカのスキッドプレート、グロスブラックの20インチホイールなど、外観の統一感が主な違いです。
NERV5号機と同じベース車であることに価値を感じる人には、110,000円差を外観代として判断できます。一方、停電時の給電、V2H、電池容量、前後モーター、4WD性能はP Executive Packageと同じです。防災性能の差額だと考えないことが大切です。
5人乗りと7人乗り
BLACK Edition、P Executive Package、P、Gは、5人乗りと7人乗りの価格差が91,300円です。7人乗りは室内長が2,450mmとなり、車重は5人乗りより40kg増えます。3列目を常用するのか、非常用品の置き場として荷室を優先するのかで選びます。
防災用品を常時積む家庭では、人数だけで7人乗りを決めないほうがよいでしょう。3列目を展開した状態の荷物量、充電ケーブル、延長コード、飲料水、簡易トイレをどこへ固定するかを実車で確認してください。
防災目的ならどのグレードを選ぶべきか
1500W・V2Hを最安から得て、18インチで効率も取る。
ALH、デジタルミラー、電動ゲートを標準化。
3ゾーン空調と上級内装へ差額を払う。
換気、後席暖房、上級音響を長距離で使う。
NERV5号機と同じベース車と黒加飾を選ぶ。
衛星通信はどの市販グレードにも含まれません。通信契約とアンテナ設置は別に確認します。
防災目的のグレード選びは、給電性能ではなく、乗車人数、タイヤ、日常装備、外観へ払う差額で決まります。衛星通信はどの市販グレードにも含まれないため、通信手段は車両選びと分けて考えます。
| 読者タイプ | 向くグレード | 理由 | 先に確認すること |
|---|---|---|---|
| 5人以下で給電と価格を優先 | M | 全グレード共通の1500W・V2Hを最安から得る | CONNECTのセットオプション、18インチ冬タイヤ |
| 給電に日常装備もそろえる | G | ALH、デジタルミラー、電動テールゲートが標準 | 5/7人、20インチの乗り心地 |
| 家族の長距離快適性を重視 | P | 3ゾーン空調と上級内装 | Gとの差434,500円の価値 |
| 前後席の快適性を最優先 | P Executive Package | ベンチレーション、後席ヒーター、上級音響 | Pとの差280,500円の価値 |
| NERV5号機と同じ外観も欲しい | BLACK Edition | 黒加飾、黒ホイール、上級音響 | P Executiveとの差110,000円は防災性能差ではない |
BLACK Editionが向く人
BLACK Editionは、NERV5号機のニュースにひかれ、市販車でも同じベース車と黒い外観を選びたい人に向きます。給電、V2H、20インチ、上級オーディオをそろえたうえで、専用の黒加飾に価値を感じるかが判断軸です。
日常の試乗では、20インチの乗り心地、車幅1,860mm、前後の見切り、充電口の位置、ラゲッジ側コンセントへのアクセスを確認してください。見た目の印象だけでなく、停電時に荷物を積んだままコンセントを使えるかまで試すと、購入後のズレが減ります。
M・G・P系が向く人
防災給電を優先し、黒い外装にこだわらないならMまたはGが合理的です。Mは18インチで効率と価格を優先できます。Gは安全・便利装備を標準化し、7人乗りも選べます。
PとP Executive Packageは、防災機能を上げるためではなく、平時の家族移動を快適にするためのグレードです。車は災害時より日常に使う時間のほうが長いため、非常時の機能だけでなく、座り心地、空調、後席、音響も含めて選ぶ価値があります。
衛星通信目的なら別契約を確認
市販車に衛星通信を追加したい場合は、アンテナを置く場所、停車中の利用、消費電力、契約エリア、月額料金、雨風への耐性を通信事業者へ確認します。Q-ANPIはNERV5号機に貸与された端末であり、一般購入者向けの標準サービスではありません。
筆者の見立てでは、個人の備えは衛星通信をいきなり導入するより、携帯回線、モバイルバッテリー、ラジオ、自治体の防災情報、家族の集合場所を重ねるところから始めるほうが現実的です。衛星回線は、その上に足す選択肢です。※推測です
停電前に家族で試す10項目
- 1コンセントと1500W
2口の位置、家電の起動電力、合計出力を確認。
- 2電池・燃料・充電
残量、ケーブル、充電カード、空気圧を点検。
- 3V2H切替
分電盤と施工条件を家族・施工店で共有。
- 4排気と置き場所
冠水、落雪、倒木、壁際、雪詰まりを避ける。
- 5通信と集合場所
携帯、ラジオ、自治体情報、家族連絡を重ねる。
医療機器は車両へ直接つなぐ判断をせず、機器メーカー、医療関係者、専用バックアップ電源を確認します。
給電機能は、カタログに載っているだけでは備えになりません。停電前に家族で一度使い、誰が操作しても迷わない状態にしておく必要があります。

車両と家電を確認する
- フロアコンソールとラゲッジのコンセント位置を全員で確認する。
- 使いたい家電の定格消費電力と起動時の電力を確認し、合計1500W以内へ絞る。
- たこ足配線を避け、メーカーが案内するコードと家電の注意事項を読む。
- 駆動用電池の残量が減るとエンジンが始動することを前提に、排気が滞留しない屋外位置を決める。
- ガソリン残量、普通充電ケーブル、急速充電カード、タイヤ空気圧を定期的に確認する。
住まいと通信を確認する
- V2H機器、分電盤、停電時切替の順序を施工店と家族で確認する。
- 冷蔵庫、通信、照明、空調の優先順位を決め、一日の使用電力量を把握する。
- 携帯回線が使えない場合のラジオ、自治体情報、家族の集合場所を決める。
- 車を置く場所が冠水、落雪、倒木、壁による排気滞留の危険を受けないか確認する。
- 医療機器を使う場合は、車両給電へ直接つなぐ判断をせず、機器メーカー、医療関係者、専用バックアップ電源の条件を確認する。
この10項目は、アウトランダーPHEV 災害対策の購入前・納車時確認リストとして販売店へ持っていけます。とくにコンセントの使い方、V2H接続、エンジン自動始動、給電中の施錠、充電中にAC100Vを使えるかを実車で確認してください。
アウトランダーPHEVのナビやカメラに関する安全確認は、アウトランダーPHEVリコール5865の対象車台番号と確認手順で整理しています。非常時に使う車ほど、リコールやソフトウェア更新を平時に終えておくことが重要です。
浸水・換気・一酸化炭素への注意
4WDや最低地上高を理由に冠水路へ進入しないでください。停車給電中は、排気口が雪、泥、荷物でふさがれていないこと、車庫や壁際で排気が滞留しないことを確認します。車室内に排気ガスを感じた場合は窓を開けて換気し、使用を止めて安全な場所へ移動します。
医療機器、暖房器具、高熱を出す家電、屋外用ではない延長コードは、一般的な家電と同じ扱いにできません。車両と機器の取扱説明書を優先し、判断できない場合は使わないことが安全です。
BLACK Edition 7人乗りを同一条件で4方式比較
クラウドローン経由で0.895%が適用された想定は、残価設定ローンより942,096円、ディーラーローンより594,407円、銀行ローンより345,036円安い試算です。残価設定は最終回に残価を払って所有する想定です。実際の提案・審査・適用金利・借入可能額は異なり、最低金利を保証しません。諸費用は含みません。※推測です
ここではNERV5号機のベースと同じBLACK Edition 7人乗りを例に、車両価格6,901,400円、頭金1,326,000円、借入5,575,400円、60回、ボーナス払いなしで4方式を比較します。税金、登録費用、用品、保証料、手数料は含みません。
価格・頭金・60回を統一する
残価設定ローンは、三菱自動車が2026年6月時点で示す実質年率4.9%、頭金1,326,000円、最終回3,011,000円を使います。公式例はボーナス払いを含むため、比較ではボーナスなし60回へ組み替え、最終回に残価を支払って所有する条件にしました。実際の販売店試算ではありません。※推測です
ディーラーローンは年4.9%、残価なしの比較仮定です。銀行ローンは、三菱UFJ銀行が2026年8月1日時点で掲示するネットDEマイカーローン年1.925〜3.25%から上限3.25%を使います。クラウドローン経由は、同サービスが2026年4月に調査した比較対象30銀行の最安表示金利0.895%が候補として提示された場合の仮定です。地域、審査、取引条件で異なります。※推測です
月額より最終回と総支払額を見る
| 方式 | 年利 | 返済期間 | クラウドローン想定との金利差 | 月々返済 | 最終回支払・残価 | 総利息 | 総支払額 | クラウドローン想定との差 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 残価設定ローン | 4.9% | 60回 | +4.005ポイント | 60,571円 | 3,011,000円 | 1,069,855円 | 7,971,255円 | +942,096円 |
| ディーラーローン | 4.9% | 60回 | +4.005ポイント | 104,959円 | なし | 722,166円 | 7,623,566円 | +594,407円 |
| 銀行ローン | 3.25% | 60回 | +2.355ポイント | 100,803円 | なし | 472,795円 | 7,374,195円 | +345,036円 |
| クラウドローン経由(比較候補の銀行最低金利が適用された想定) | 0.895% | 60回 | 基準 | 95,053円 | なし | 127,759円 | 7,029,159円 | 基準 |
総支払額には頭金1,326,000円を含めています。同じ車種、グレード、価格、頭金、60回の条件では、0.895%想定との差が残価設定ローンで942,096円、ディーラーローンで594,407円、銀行ローンで345,036円です。残価設定ローンは最終回に残価3,011,000円を支払って所有する想定で総支払額を比べています。一方、端数処理、金利、残価、手数料で実際の金額は変わります。※推測です
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防災目的で車を選ぶときも、月額だけで決めると非常用品、V2H機器、電気工事、冬タイヤへ回す予算が見えなくなります。車両本体と住宅側設備を分けて見積もり、同じ頭金と期間で総額を比べてください。
よくある質問
共同製作した災害対策車で、要請に応じて派遣。
SpaceXアンテナとQ-ANPIは追加装備。
家全体ではなく、接続した家電へ給電。
接続中はエンジン発電できない。
人数、日常装備、外観で選ぶ。
3列目と非常用品の置き場を実車確認。
取扱説明書、販売店、V2H施工店、通信事業者で、それぞれの担当範囲を確認します。
NERV災害対策車5号機は購入できますか

公表資料では一般販売される車両ではありません。ゲヒルンと三菱自動車が共同製作し、東京都千代田区に配備して、派遣要請に応じて運用する災害対策車です。ベースとなった市販BLACK Editionは購入できます。
BLACK Editionに衛星通信は標準装備ですか
標準装備ではありません。SpaceX衛星通信アンテナとQ-ANPI端末はNERV5号機へ追加された装備です。市販車で衛星通信を使う場合は、通信サービスと設置条件を別に確認します。
AC100Vコンセントで家全体へ給電できますか
アクセサリーコンセントはAC100V・合計最大1500Wで、接続した家電へ電気を渡します。家の分電盤へ給電するには、車両のV2H用DC電源に対応するV2H機器と施工が必要です。
V2Hにつないだままエンジン発電できますか
三菱自動車の公式注記では、V2H機器に接続中はエンジン始動による発電ができません。エンジンで発電する場合はV2H機器との接続を終了します。具体的な切替手順は車両、V2H機器、施工店の説明に従ってください。
防災目的ならBLACK Editionを選ぶべきですか
必須ではありません。AC100V最大1500W、V2H用DC10kW、22.7kWh電池、4WDのPHEVシステムはMを含む全グレードで共通です。BLACK Editionは黒い外観と上級装備、NERV5号機と同じベース車であることに価値を感じる人向けです。
5人乗りと7人乗りはどちらが防災向きですか
家族人数と荷物量で決まります。7人乗りは91,300円高く、室内長2,450mm、車重2,180kgです。3列目を使うと荷物スペースが変わるため、非常用品を積んだ状態で確認してください。
参照した主な情報源
- NERV災害対策車5号機を配備(三菱自動車公式、2026年9月1日。車両、衛星通信、Q-ANPI、運用体制)
- アウトランダーPHEV BLACK Edition(三菱自動車公式、価格、寸法、車重、専用外装)
- アウトランダーPHEV 主要諸元(三菱自動車公式、エンジン、モーター、電池、燃費、航続、足回り、タイヤ)
- アウトランダーPHEV 主要装備(三菱自動車公式、AC100V、V2H、充電、グレード別装備)
- アウトランダーPHEV グレード比較(三菱自動車公式、5グレードの価格・装備)
- アウトランダーPHEV 給電・蓄電(三菱自動車公式、1500W、V2H、最大約11日分の条件)
- 三菱のPHEVポータル(三菱自動車公式、充電時間、V2L、V2H)
- アウトランダー取扱説明書 排気ガスの注意(三菱自動車公式、一酸化炭素と換気)
- アウトランダー取扱説明書 アクセサリーコンセント(三菱自動車公式、1500W給電の使い方)
- 三菱UFJ銀行 ローン金利(2026年8月1日時点のマイカーローン金利)
- クラウドローン マイカーローン(2026年4月調査の表示金利とサービス説明)
